KPMG調査:ESGデューデリジェンスの重要性がますます増加

KPMGによる最新のグローバル調査によると、ESGデューデリジェンスがM&A取引においてますます重要視されていることが明らかになった。本調査は35か国、600名以上のアクティブなディールメーカーを対象に実施された。

ESGデューデリジェンスは、過去12~18か月間でその重要性が増加しており、今後もさらなる増加が見込まれている。M&A活動の減速や経済的不確実性、いくつかの国でのESGに対する反発があるものの、重視されている事実には変わりはないものとされている。

主要な投資家は、ESGを投資の中核に据え、商業的、運用的、財務的リスクと機会を深く理解し、サステナビリティな価値を創造することに焦点を当てている。彼らは、包括的なベースライニング、統合された100日間アクションプラン、および資金調達源のシステムスキャンなどのツールを活用して、投資先のパフォーマンスを向上させている。

調査結果の主要ポイントは以下の通りである。

  • グローバルで4分の3以上のディールメーカーがESGをM&Aの議題にしている
  • 55%の回答者はESG成熟度の高い資産に対して1~10%のプレミアムを支払う意欲がある
  • ESGデューデリジェンスを実施する主要な理由は、ESGリスクと機会を早期に特定することで経済的価値を高めること(58%が同意)と、規制要件への対応力向上(44%が同意)

調査によると、45%の投資家がESGデューデリジェンスの結果として重大な取引影響を受け、その半数以上が取引停止に至ることがあると報告されている。

【参照ページ】
(原文)Global ESG due diligence+ study 2024
(日本語参考訳)グローバル ESG デューデリジェンス+ 調査 2024

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:欧州CSDDDの行方:揺れる規制の未来とその影響

    2025-5-30

    ESGフロントライン:欧州CSDDDの行方:揺れる規制の未来とその影響

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察してい…
  2. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-5-28

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    企業のサステナビリティ関連の開示では、TCFD(Taskforce on Climate-rela…
  3. 2025-5-28

    データマラン、サステナビリティ担当者向けグローバル・コミュニティ「Harbor」を発表

    5月14日、ESGに特化したAIソリューションのリーダーであるデータマランは、企業のサステナビリテ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る