6月26日、二酸化炭素除去(CDR)を専門とするスイスの気候技術企業Neustarkは、重要な資金調達ラウンドで6900万ドル(約111億円)を調達したと発表した。本ラウンドは、ブラックロックとテマセクが共同で設立したDecarbonization Partnersが主導し、気候技術投資家のBlume Equityが参加した。今回の資金調達は、2030年までに100万トンのCO2を削減するというneustarkの使命を支援し、ヨーロッパ、北米、アジア太平洋地域での事業拡大を強化することを目的としている。
既存の投資家であるシーメンス・ファイナンシャル・サービス、ヴァーヴ・ベンチャーズ、ACEベンチャーズ、ホルシムは支援を継続し、UBSはデットファイナンスを通じて追加資金を提供した。cdr.fyi社によると、同投資ラウンドは炭素除去分野で最大級のものだという。
Neustarkは、CO2を回収し永久に貯蔵する独自のソリューションを開発した。同プロセスでは、バイオガスプラントから生物起源CO2を回収し、液化して建設廃棄物のコンクリート粒に注入する。この方法によって無機化が促進され、CO2が永久的に結合され、粒状物が建設用の再利用可能な材料に変換される。
現在、Neustarkは、スイス、オーストリア、リヒテンシュタイン、ドイツで19の炭素回収・貯留プラントを運営しており、さらに40のプラントを建設中である。同社は、マイクロソフト、UBS、ネクストジェンなどの顧客を惹きつけ、12万トン近くの炭素除去を販売しており、すべてのプロジェクトが透明性とパフォーマンスに関するゴールド・スタンダードの認定を受けている。
Neustarkの共同CEOで創業者のヨハネス・ティーフェンターラー氏は、2050年までにネット・ゼロの目標を達成するためには、スケーラブルな炭素除去ソリューションが不可欠であると強調した。同氏は、同社の革新的なアプローチと、耐久性のある炭素除去ソリューションと信頼できる炭素クレジットに対する市場の大きな需要を強調した。
【参照ページ】
(原文)Neustark secures $69 million in funding to expand carbon removal solution globally
(日本語参考訳)Neustark、炭素除去ソリューションの世界的拡大に向け6900万ドルの資金を確保