炭素回収技術を提供するION Clean Energy(ION)は、今回のラウンドを主導したエネルギー大手シェブロンの低炭素ソリューションに特化した事業であるシェブロン・ニュー・エナジーズ(CNE)や、炭素管理に特化した投資家であるカーボン・ダイレクト・キャピタルを含む投資家から4500万ドル(60億円)を調達したと発表した。
2008年に設立されたコロラド州ボルダーに本社を置くIONは、燃焼後の二酸化炭素回収の全体的なコスト削減を目的とした技術を提供し、発電や産業用点源など、排出削減が困難な排出物に対してより現実的な選択肢となることを可能にしている。同社独自の液体吸収剤プロセス技術は、ボイラーで燃やされた燃料からCO2を多く含むガスを吸収塔に導き、そこで液体溶媒がCO2を吸収する。その後、溶媒を加熱してCO2を分離し、圧縮して輸送して永久的に隔離したり、付加価値の高い製品に利用したりすることができる。
IONによると、この新資本は、同社の組織拡大とICE-31液体アミン炭素回収技術の商業展開に使われる。
資金調達に加え、IONはティモシー・ベイルを新CEOに任命したことも発表した。ベイルは、再生可能燃料プラットフォームArbor Renewable GasのCEOを務めた後、天然ガスの自動車ガソリンへの転換を専門とするG2X Energy(現Proman USA)の創業者兼CEOを経て、同社に入社した。
シェブロンは2021年にCNEを立ち上げ、2028年までに低炭素事業への投資を100億ドル超に大幅に拡大する計画である。CNEは、IONへの投資に加え、同社のICE-31技術を使用して、大量かつ低濃度のCO2排出を行う顧客にサービスを提供することを検討している。
【参照ページ】
(原文)chevron invests in carbon capture and removal technology company, ION clean energy
(日本語参考訳)シェブロン、炭素回収除去テクノロジー企業、ION clean energyへ投資