3月6日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)は、サステナブル・ファイナンス・フレームワークに「脱炭素ファイナ ンス」カテゴリーを新設することを含め、一連のサステナブル・ファイナンスの新たな目標とイニシアティブを発表した。新カテゴリーは、脱炭素活動の適格性に関する顧客の明確性を高め、高排出・難削減セクターの排出削減努力への資本配分を加速することを目的としている。
RBCによれば、新カテゴリーの立ち上げは、天然ガス、鉄鋼、セメントなど、今後も必要不可欠な製品を提供し続ける高排出・難削減セクターへの資本配分の促進を支援する。一方、こうした分野の活動で顧客の移行計画に有意義な貢献をもたらさないものを支援するリスクを認識することを意図している。
RBCは、新しいカテゴリーに適格な活動の基準を導入した。この基準には、活動が適格な脱炭素化活動であることや、クライアントが十分に強固な移行計画を有していることなどが含まれる。RBCによれば、適格性基準は、当行のセクター別移行準備フレームワークの下での、クライアントの移行計画の評価に依存することができ、セクターによってはまだその目標達成への明確な道筋がないため、必ずしも1.5⁰Cに沿った排出削減目標を必要としない。
RBCはまた、フレームワークの刷新に加え、2030年までに低炭素エネルギー融資全体を350億ドル(約515億円)に拡大すること、RBCキャピタル・マーケッツおよび商業銀行部門全体の再生可能エネルギー向け融資を現在の52億ドル(約7,660億円)から2030年までに3倍に拡大すること、さらに、革新的な気候変動ソリューションの開発と拡大の支援に2030年までに10億ドル(約1,470億円)を充てること、といった新たな目標も発表した。
新たな行動は、RBCの2023年気候報告書の発表と同時に発表されたもので、RBCの気候戦略に沿った、気候関連のリスクと機会の管理におけるRBCの進捗状況を概説するものである。RBCは2021年に、2025年までに5,000億ドル(約73兆円)の持続可能な資金を動員するという目標を設定した。新しい気候報告書によると、同行は2022年に持続可能な金融の促進累計額を1,000億ドル(約14兆円)以上増やし、2025年の目標に向けて3,940億ドル(約58兆円)に達した。