3月7日、DAC(Direct Air Capture)炭素除去プロバイダーのクライムワークスは、ルフトハンザ・グループおよびルフトハンザ傘下のスイス・インターナショナル・エアラインズとの新たな長期契約を発表した。
DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中からCO2を直接抽出して原料として使用したり、貯蔵と組み合わせることで永久的に除去したりすることが可能。2022年の画期的な気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大するCO2除去方法が含まれており、DACはその大部分を占める可能性がある。
クライムワークスは2022年、DAC能力の拡張を目的とした株式資金調達ラウンドで約6億5,000万ドル(約960億円)を調達した。その後、同社は「マンモス」と呼ばれる3万6,000トンの新しいDAC施設の建設に着手し、最近、完成間近であると発表した。また、米国エネルギー省から最大12億ドル(約1,770億円)の助成金を受けることが決まった一連の大規模DACプロジェクトにも参加している。
ルフトハンザは、2050年までにCO2収支をニュートラルにすることを目標に掲げ、2030年までに2019年比でCO2排出量を半減させることを目標としている。同社の気候変動への取り組みは、持続可能な航空燃料の使用拡大など、主に排出量削減に焦点を当てているが、同社は炭素除去ソリューションを「サステナビリティ戦略における補完的な手段」と見なしているという。
新契約の下、スイス・インターナショナル・エアラインズは、DAC炭素除去ソリューションに参加する機会を顧客に提供することに加え、排出削減が困難な状況に対処するため、直接空気回収・貯蔵による炭素除去を活用すると述べた。本契約は2030年まで延長され、将来的には協業を延長し、炭素除去量を追加購入するオプションもある。
【参照ページ】
Runway to net zero: Climeworks partners with SWISS and Lufthansa Group