EV電池ベンチャーのACC、欧州各地にギガ工場を建設するため約6,600億円調達

EV電池ベンチャーのACC、欧州各地にギガ工場を建設するため約6,600億円調達

2月12日、欧州の電池セルメーカーであるオートモーティブ・セルズ・カンパニー(ACC)は、フランス、ドイツ、イタリアにおけるリチウムイオン電池セル生産のための3つのギガファクトリー建設を支援することを目的とした44億ユーロ(約6,609億円)のデットファイナンスを実施したことを発表した。

ACCはステランティスとトタルエナジーズの合弁会社として2020年に設立され、2021年にはメルセデス・ベンツもJVに加わる。同社は、安全性と性能に重点を置きながら、カーボンフットプリントを最小限に抑えたEV用バッテリーセルとモジュールの開発・生産を目指している。

同社は2023年にフランスで最初のギガファクトリーを稼働させ、現在ステランティス社向けのバッテリーを生産している。需要に応えるため、ドイツとイタリアの工場に加え、フランスの敷地内に第2ブロックを建設するなど、一連の開発を計画している。ACCは、2030年までに少なくとも120ギガワット時の電池容量を達成するという目標を掲げている。

今回の発表は、欧州におけるEVへの移行を支援するため、成長するバッテリー製造のギガファクトリー・エコシステムに向けた一連の大規模な資金調達の最新版となる。これには、バッテリーメーカーであるノースボルト社が、スウェーデン北部を拠点とするリチウムイオン電池のギガファクトリーとバッテリーリサイクル施設のために1月に完了した50億ドル(約7,510億円)のグリーンローンが含まれる。

本債務パッケージは、BNPパリバ、ドイツ銀行、ING、インテサ・サンパオロを含む商業銀行のコンソーシアムが引き受け、Bpifrance、オイラー・エルメス、SACEが支援した。

【参照ページ】
(原文)Automotive Cells Company accelerates its growth and strengthens its position as a key European player in sustainable mobility
(日本語参考訳)自動車用セルメーカーが成長を加速し、持続可能なモビリティにおける欧州の主要企業としての地位を強化

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る