12月5日、米食品廃棄物削減推進団体ReFEDと世界自然保護基金(WWF)は、太平洋岸食品廃棄コミットメント(PCFWC)の成功に基づき、「米国食品廃棄物協定(U.S. Food Waste Pact)」の結成を発表した。本協定は、国連の持続可能な開発目標12.3を含む、国内および国際的な食品廃棄物削減目標を達成するための、事前の競争的協力とデータに基づく行動を可能にする全米的な自主協定である。また、食品廃棄物削減の有意義な進展を促進するために、コミットメント設定にとどまらず、全米の他の国や地域の食品廃棄物削減努力を支援するための連結布としての役割も果たすように設計されている。
米国では、全食品の38%が食べられずに廃棄されており、食品企業だけで2,500億ドル(約36兆円)、計4,440億ドル(約63兆円)の機会損失が問題となっている。食品廃棄はGHG排出量の6%を占め、全米の淡水供給量の20%以上を消費している。米国食品廃棄物協定は、食品廃棄物削減を加速させるための国家戦略とパートナーシップの緊急の必要性を実現するものであり、気候変動に対する最重要解決策とされている。
2019年に発足したPCFWCは、米国でのアクション推進に向けた共同アプローチのモデルとなっている。今回の米国食品廃棄協定の設立はそのビジョンの実現を目指したものであり、現在、PCFWCの複数の企業や、Ahold Delhaize USA、ALDI、Aramark、Bob’s Red Mill、Compass Group USA、Del Monte Fresh Produce Company、Lamb Weston, Inc.、Raley’s、Sodexo USA、Walmart, Inc.、Whole Foods Marketなどの米企業が参加している。
本協定の加盟企業は、食品廃棄物の50%削減に向けた同業他社との協力、食品廃棄物のデータ測定・報告、費用対効果が高くインパクトのある解決策をテスト・実施・拡大するためのワーキンググループ及びパイロットプロジェクトへの参加が求められる。
米国食品廃棄物協定は、食品廃棄物削減同盟(Food Waste Reduction Alliance)や米国農務省(USDA)と環境保護庁(EPA)による「米国食品ロス・廃棄物2030チャンピオンズ(U.S. Food Loss and Waste 2030 Champions)」といった企業向けプログラム、世界資源研究所(World Resources Institute)の「10x20x30イニシアティブ」とも協働していく。
【参照ページ】
(原文)U.S. Food Waste Pact Engages Businesses Across The Country To Target, Measure, And Act To Reduce Food Waste
(日本語参考訳)ReFEDとWWF、米国食品廃棄物協定を結成