9月13日、ユナイテッド航空は、CO2を原料とする持続可能な航空燃料(SAF)について、脱炭素に特化した産業バイオテクノロジー企業であるCemvitaと最大10億ガロンまでの引き取り契約を締結したと発表した。
新しい契約により、Cemvitaはユナイテッド航空に対し、CO2を原料とするSAFを20年間にわたり年間最大5,000万ガロン供給する。
SAFは、現在世界の温室効果ガス(GHG)排出量の2~3%を占める航空産業の脱炭素化を支援する重要な手段のひとつと考えられている。SAFは一般に、廃油や農業残渣などの持続可能な資源から製造され、現行の化石ベースのジェット燃料に比べて排出量を大幅に削減できる。
しかし、SAFを生産するために使用される現在の技術の多くは、必要な原料の供給が限られていることが多く、こうした野望を支えるために必要な規模に達することが困難な場合がある。
ヒューストンに拠点を置くCemvitaは2017年に設立され、天然資源の自然抽出、カーボン・マイナス化学生産、廃棄物を原料としてクローズド・ループで再生するなどのソリューションを提供するために産業バイオテクノロジーを利用している。同社のソリューションには、CO2をSAFに変換する可能性を持つ合成微生物が含まれ、SAFの原料問題に対処し、土地、水、電力の必要性を最小限に抑える。さらに同社は、eCO2プラントはカーボン・マイナス出力の可能性があり、既存の作物ベースの原料や燃料とコスト競争力を持つことを目指していると付け加えた。
ユナイテッド航空は、カーボンオフセットに頼ることなく、2050年までに温室効果ガスの排出量を完全に削減することを約束している。今年初め、同社はユナイテッド航空ベンチャーズ・サステナブル・フライト・ファンドを立ち上げ、SAFの研究、技術、生産に焦点を当てた新興企業への投資と支援を目的としている。
現在2億ドル(約290億円)超のコミットメントに成長した同ファンドは、SAF供給の拡大を支援することを目的とし、新技術、先進的燃料源、実績のある生産者への投資を優先している。Cemvitaは、同ファンドの第1期投資先企業として発表された。
【参照ページ】
United Signs Agreement to Buy Up To One Billion Gallons of Sustainable Aviation Fuel from Cemvita