8月16日、ライフサイエンス企業のBayer、脱炭素ソリューションに特化した投資プラットフォームのGenZero、Shell子会社のShell Energy India Private Limitedは、稲作からのメタン排出に対処することを目的とした新たな協力関係の開始を発表した。
世界銀行の試算によると、コメは世界のメタン排出量の10%を占めている。メタン排出の迅速な削減は、温暖化を1.5℃に抑えるという世界的な気候変動目標の達成を支援するために、短期的に可能な最も効果的な行動のひとつと考えられている。メタンは非常に強力な温室効果ガスであり、CO2の80倍もの温暖化効果がある。
新しい共同研究は、リモートセンシング技術を取り入れた測定・報告・検証(MRV)メカニズムを活用し、零細農家に対する研修・支援・指導を含む提案アプローチを通じて、稲作におけるメタン排出削減のスケーラビリティを示すモデルを開発することを目的としている。
本プログラムによって期待される追加的な利益には、水の節約、土壌の健全性の向上、零細農家の地域生活の向上などがある。
Bayerは過去2年間にわたり、インド全土で試験的な持続可能な稲作プロジェクトを開始し、稲作農家に対し、連続的に湛水する代わりに断続的に湛水する交互湛水乾燥(AWD)や、移植作業を行わず湛水もごく限られた範囲にとどめる直播栽培(DSR)への転換を促してきた。
新たな協力関係の下、2023-24年のシーズン中にプログラムの対象面積を25,000ヘクタールまで拡大することを目指していると述べた。
【参照ページ】
(原文)Bayer, GenZero and Shell collaborate to reduce methane emissions in rice cultivation
(日本語参考訳)Bayer・GenZero・Shell、稲作からの排出に取り組むプログラムを開始