欧州委員会、EU機関におけるサイバーセキュリティ強化のための新規則で政治合意

6月26日、欧州連合(EU)の機関、団体、事務所におけるサイバーセキュリティの高度な共通レベルの対策を定めた欧州委員会提案の規則について、欧州議会とEU理事会の間で政治的合意に達した。現在、交渉は終了し、欧州議会およびEU理事会による法文の最終承認への道が開かれた。

欧州委員会は2022年3月、サイバーセキュリティ規則の提案を発表した。同規則は、サイバーセキュリティに関するEU全体のガバナンス、リスク管理、統制のための枠組みを導入するもので、その実施を監視するための新たな機関間サイバーセキュリティ委員会が設置される。また、脅威情報、情報交換、インシデント対応の調整ハブ、中央諮問機関、サービスプロバイダーとして、「EU機関のためのコンピューター緊急対応チーム(CERT-EU)」の任務も拡大される。CERT-EUは、認知のためにCERT-EUという略称を維持しつつ、その新しい任務を反映するために、「EUのためのサイバーセキュリティ・サービス」に改名された。

全EU機関、団体、事務所に対する提案の主な要素は以下の通り。

  • サイバーセキュリティ分野におけるガバナンス、リスク管理、統制の枠組みを持つ
  • 定期的な成熟度評価を実施する
  • 特定されたリスクに対応するサイバーセキュリティ対策を実施する
  • サイバーセキュリティの改善計画を策定する
  • インシデント関連情報を過度な遅延なくCERT-EUと共有する

【参照ページ】
(原文)Commission welcomes political agreement on new rules to boost cybersecurity in EU institutions, bodies, offices and agencies
(日本語訳)欧州委員会、EU機関におけるサイバーセキュリティ強化のための新規則で政治合意

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る