5月16日、大手基幹業務システム(ERP)ソフトウェア企業のSAPは、炭素に関する台帳ベースの会計を提供し、企業が実際のデータと監査可能なデータで排出量を追跡・管理し、サプライチェーンのパートナーと炭素データをやり取りできるようにすることを目的とした「グリーン台帳イニシアティブ」を開始したことを発表した。
SAP Sapphireカンファレンスで発表された本イニシアティブには、企業がパートナーやサプライヤーと標準化されたサステナビリティデータを交換できる新しいソリューション「SAP Sustainability Data Exchange」の発表や、SAPのカーボンフットプリント会計ソリューション「SAP Sustainability Footprint Management」の更新が含まれている。
SAPが発表した声明によると、本取り組みは、企業が投資家・株主・消費者・規制当局のニーズに応えるため、温室効果ガス(GHG)排出量のより良い会計処理を必要としていることを背景としている。
「Sustainability Data Exchange」は、企業が実際のスコープ3製品のカーボンフットプリントの共有を含む、サプライチェーン全体でのカーボンデータの要求と交換を可能にする。本ソリューションは、PACT(Partnership for Carbon Transparency)が策定したカーボンデータの相互運用性基準を利用しており、異なる排出・会計技術ソリューションが接続し情報を共有できるようになっている。本ソリューションは現在ベータ版で、一般提供は2023年第3四半期を予定している。
「SAP Sustainability Footprint Management」は、製品および企業レベルでの監査可能なカーボンフットプリントの測定を可能にし、サプライヤーから受け取ったフットプリントデータのインポート、排出係数とビジネスデータのマッピング、グラフ形式でのデータの計算とモニタリング、生産ラインや施設のエネルギーフローモデル化、企業やバリューチェーン全体でのフットプリント分析などの機能を備えている。新しいアップデートは2023年6月に提供される予定である。
【参照ページ】
(原文)SAP’s Vision for Future-Proofed Business in the Age of AI Comes to Life: SAP Sapphire in 2023
(日本語訳)SAP、排出量データの追跡・管理・報告に関するソリューションの提供を開始