4月21日、海洋を利用した二酸化炭素除去(CDR)企業であるEbb Carbonは、2000万ドル(約26億円)の資金を調達したと発表した。本資金は、海洋が大気中の二酸化炭素を回収し、永久に貯蔵する能力を高める技術の開発と普及を目的としている。
Ebb Carbonによると、今回の資金調達は、海洋を利用した炭素除去技術に対するこれまでで最大の投資となる。
炭素除去は、気候変動に対処するための重要な手段として浮上しているが、大気中の炭素を回収・貯蔵する技術やソリューションのほとんどは、まだ初期段階にとどまっている。昨年発表されたIPCCの気候変動緩和に関する画期的な研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオでは、二酸化炭素除去(CDR)法が今後数十年にわたって年間数十億トンの除去量に拡大されるとされている。二酸化炭素を吸収・貯蔵する海を利用した炭素回収・貯留は、最も低コストで二酸化炭素を除去できる方法の一つである可能性がある。
Tesla、SolarCity、Google Xの元幹部が2021年に設立したEbb Carbonは、電気化学的手法による海洋での炭素除去を商業化しており、自然の海洋アルカリ化プロセスを加速させ、大気中の二酸化炭素濃度の上昇による酸性度の上昇を抑えて海洋化学を回復させるとともに、二酸化炭素を回収して重炭酸に変換し、少なくとも1万年間二酸化炭素を隔離できる安全で安定した貯蔵を実現している。
シリーズAの資金調達は、気候ソリューションとクリーンテックに特化したベンチャー投資家であるPrelude VenturesとEvok Innovationsが主導した。