再生農業の炭素クレジットスタートアップAgreena、約72億円を調達

再生農業の炭素クレジットスタートアップAgreenaが約72億円を調達

3月30日、再生農法に特化した気候・フィンテックのスタートアップAgreenaは、ベンチャーキャピタル投資家HV Capitalが主導するシリーズBファイナンスで、4600万ユーロ(約66億円)を調達したことを発表した。

2017年に設立されたコペンハーゲンに本拠を置くAgreenaは、土壌炭素認証プラットフォームを提供し、第三者によって検証された炭素証明書の発行を通じて、再生農業の実践への移行を目指す農家を支援している。

再生農業の実践は、同分野の環境影響に対処することを目的としており、生態系の改善と回復、土壌の健全性と肥沃性の構築、排出量の削減、流域管理の強化、生物多様性の増加、農家の生計向上などの技術が含まれる。Agreenaのプラットフォームは、農家が再生手法の実施による改善を計画、追跡、検証することを可能にする。また、証明書は、土壌中の炭素を捕捉・貯蔵することで排出量を相殺しようとする企業に炭素クレジットを提供し、食品サプライチェーンの企業に農産物の現場レベルのトレーサビリティを提供して、スコープ3報告要件を満たすことを可能にする。

今回の増資は、2022年のAgreenaの2,000万ユーロ(約28億円)のシリーズAに続くもので、同社はそれ以降、活動を10倍に拡大し、地理的にもヨーロッパ16カ国に拡大し、60万ヘクタール以上の再生農業への移行を支援している。また、昨年にはリモートセンシング会社のHummingbird Technologiesを買収し、サプライチェーン企業や政府機関など向けのアグリデータサービスを追加している。

今回の資金調達には、インパクトファンドのAENUとフィンテックに特化したAnthemisが新たに参加したほか、既存投資家のGullspång Re:food、Kinnevik、デンマークのExport and Investment fundが加わった。

【参考ページ】
(原文)Agriculture tech company Agreena raises $50 mln in funding
(日本語訳)農業テック企業Agreenaが5000万ドルの資金調達を実施

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る