CVC、プライベート・エクイティ投資先企業に科学的根拠に基づく気候目標の設定を義務化

7月31日、世界的なオルタナティブ投資運用会社CVC Capital Partnersは、自社の事業と投資ポートフォリオに関する一連の新たな気候変動関連の目標を発表した。本目標の中には、プライベート・エクイティと上場株式のポートフォリオに含まれるすべての適格企業が、2035年までにSBTi(Science Based Targets initiative)の検証を受けた排出削減目標を設定することが含まれている。

CVCの2023年ESG報告書で発表された新目標には、2027年までに上場株式とプライベート・エクイティ投資の40%にSBTI検証済みの目標を設定すること、CVC自身のスコープ1と2の絶対排出量を2019年を基準として2030年までに73%削減することなどが含まれる。

対象となる企業には、CVCが25%以上の株式保有と取締役会の議席を持ち、買収日から24ヶ月以上経過している企業が含まれる。この対象は、CVCの投資・融資活動の60%近くをカバーし、クレジットとセカンダリーの保有比率は35%を超える。報告書の中でCVCは、クレジットとセカンダリーはより早い段階にあり、現在は主に信頼できる排出量データを収集するプロセスの導入に重点を置いていると指摘した。報告書によると、現在、SBTIで検証された目標を持つ適格企業は10%未満である。

CVCは、自社事業を対象とした排出量目標を達成するため、再生可能エネルギーの購入、保有車両の電化、新規リースにおけるエネルギー効率の検討を行うと述べた。同社は、主にエネルギー属性証明書を利用した再生可能エネルギーの購入により、すでにスコープ2の排出量を大幅に削減していると述べた。

【参照ページ】
(原文)Climate & SBTi
(日本語訳)気候とSBTi

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-8

    IBM、ESGデータプラットフォームにCSRD対応機能を追加

    4月30日、IBMは、ESGデータの収集、分析、報告プ​​ラットフォーム「IBM Envizi」の…
  2. 2024-5-8

    IFRS、EFRAG、ISSB/CSRD報告基準に双方に対応する企業向けガイダンスを発行

    5月2日、IFRS財団と欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ESRS-ISSB基準の相互に共…
  3. 2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
ページ上部へ戻る