TotalEnergies、石油製品使用時の排出量削減目標を強化

 

3月21日、TotalEnergiesは、2030年までにスコープ3の石油排出量(顧客による当社製品の使用による排出量を含む)を従来の30%から40%削減する目標を含む、一連の気候変動目標の強化・加速を発表した。

しかし、石油の排出量に関する新たな目標にもかかわらず、TotalEnergiesはスコープ3の総排出量の目標を強化せず、2030年までに400 Mt COeを達成するという従来の野心を維持した。これは、2015年レベルの410 Mtからわずかに減少するだけで、LNG生産の成長を促進するために、2022年に達成した389 Mtから増加する可能性がある。また、2030年までの投資額の約30%は、引き続き新規の石油・ガスプロジェクトの開発に充てると述べている。

同社の新たな目標は、「サステナビリティと気候-2023年進捗報告書」の発表と同時に発表され、2015年以降、顧客に販売するエネルギー製品のライフサイクル炭素強度を12%削減し、2021年には10%削減することや、スコープ3の石油排出量を2015年から27%削減し、2021年の時点で19%削減するなどの成果を強調している。

しかし、同社のScope3石油排出量の減少に伴い、ガスからのScope3排出量の増加により、減少が少なくとも一部相殺されている。例えば、2020年以降、石油のスコープ3排出量は66 Mt(COVIDの影響を除く)減少して254 Mtとなったが、ガスのスコープ3排出量は50 Mt増加し130 Mtとなった。

同社が発表したその他の新たな目標としては、スコープ1および2の排出量を、事前の目標である40Mtから2025年には38Mt未満に削減し、ライフサイクル炭素強度(スコープ1、2、3を含む)の削減を2015年基準で2025年までに15%(事前目標10%)、2030年までに25%(事前20%)とする。

また、低炭素エネルギーへの投資を2022年の40億ドル(約5,300億円)から2023年には50億ドル(約6,626億円)に拡大するとしている。

TotalEnergiesの進捗報告書は、2023年5月に開催される同社の年次総会で、株主に対して協議投票が行われる予定である。

【参照ページ】
(原文)Presentation Strategy, Sustainability & Climate, More energy, less emissions
(日本語参考訳)TotalEnergies、石油製品使用時の排出量削減目標を強化

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る