3月1日、グローバル金融サービス企業であるCitiは、2050年の温室効果ガス(GHG)排出量ゼロの融資目標達成に向けた計画の一環として、自動車製造、商業不動産、鉄鋼、一般炭鉱など炭素集約型の主要セクターにおける融資による排出量削減の中間目標を新たに発表した。
この新しい目標は、Citiの年次報告書「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に掲載され、また、気候変動リスクと機会の特定を事業戦略や情報開示の取り組みに取り入れる進捗状況を示す詳細も発表された。
Citiの融資ポートフォリオに適用される新たな2030年目標は、小型自動車製造業のスコープ1~3の排出強度を31%削減、北米の商業用不動産の排出強度を41%削減、一般炭鉱からの絶対排出量を90%削減する目標を含んでいる。鉄鋼部門については、ロッキーマウンテン研究所(RMI)が推進するワーキンググループの一員として当行が開発に協力した「持続可能な鉄鋼原則(SSP)」に基づき、2030年に気候変動スコア0を達成することを目標としており、IEAネット・ゼロシナリオとの整合を示している。
今回の融資による新たな排出量目標は、Citiが昨年設定したエネルギー・電力セクターの目標に追加されるものだ。また、TCFD報告書では、農業、アルミニウム、航空、セメント、海運を含む追加セクターについて、2023年から2024年にかけて目標を設定する意向であると述べている。
Citiは2021年に2050年ネット・ゼロ・エミッション・ファイナンスの目標を初めて発表し、その直後に2030年までに環境ファイナンスへの5,000億ドル(約67兆円)の展開を含む1兆ドル(約135兆円)の持続可能なファイナンスを促進する目標を発表した。2021年12月、CEOのJane Fraserは、当行は顧客に対し、排出量を測定・伝達し、資産の気候プロファイルを改善する計画を提供することを期待すると述べ、より持続可能な環境影響形態に移行する顧客の進捗が当行の提供するサービスに影響すると警告した。
【参照ページ】
(原文)A Balanced Approach: Addressing The World’s Energy & Climate Needs
(日本語参考訳)バランスの取れたアプローチ。世界のエネルギーと気候のニーズへの対応