12月15日、炭素回収・除去技術を提供するSvanteは、エネルギー大手Chevronの低炭素ソリューションに特化した事業であるChevron New Energies(CNE)が主導する取引で、3億1800万ドル(約422億円)を調達したことを発表した。
2007年に設立されたSvanteは、産業排出物からCO2を分離・除去する構造化吸着床(フィルター)とモジュール式回転接触器を提供しており、排出集約型産業が既存のインフラから大規模な排出物を回収できるようにすることを目的としている。同社のソリューションは、水素、紙パルプ、石灰、セメント、鉄鋼、アルミニウム、化学などの分野における産業の脱炭素化を対象としており、本技術はDAC(Direct Air Capture)ソリューションにも利用できる。
同社によると、今回の融資は、バンクーバーにある商業規模のフィルター製造施設を支援するもので、年間数百万トンのCO2を回収するのに十分なフィルターモジュールを製造することが期待されるとのことである。
Chevronは2014年にChevron Technology Venturesを通じてSvante に初期投資し、両社は2020年に天然ガスの後燃焼によるCO2回収のパイロットプロジェクトを立ち上げた。
Chevronは昨年、CNEを立ち上げ、2028年までに低炭素事業への投資を100億ドル(約1.3兆円)超に大幅に拡大する計画を発表している。
本取引は、DACの新興企業であるClimeworksに対する今年初めの6億5千万ドル(約862億円)の株式融資など、炭素除去技術に関する最新の大規模な資本調達となる。
本発表後、主幹事証券会社を務めたJ.P.モルガンは、今年に入ってから炭素回収企業のために10億ドル(約1,328億円)近くの未公開株資金調達の助言を行っており、過去5年間を合わせるとおよそ2倍になると指摘した。
【参照ページ】
(原文)Svante Raises US$318 Million In Series E Round, Led By Chevron New Energies
(日本語参考訳)Svante、420億円超の資金を調達