11月15日、欧州の3つの主要金融規制機関である欧州監督機関(ESAs)は、持続可能な金融情報開示規制(SFDR)に基づく金融商品の主要ルールの見直しを延期し、欧州委員会が当初示した2023年4月28日の期限から最大で6ヶ月間その対応を遅らせることを明らかにした。
欧州銀行監督機構(EBA)、欧州保険・職業年金監督機構(EIOPA)、欧州証券市場庁(ESMA)を含むESAは、EU委員会からSFDRの主たる悪影響(PAI)と金融商品の開示に関する指標の見直しを依頼されていた。
EUのSFDRは、持続可能な成長のための資金調達に関するEUの行動計画の一部を構成している。同規則は、投資家やアドバイザーを含む金融市場参加者に対し、金融商品に関する持続可能性リスクの統合と持続可能性への悪影響の考慮に関する透明性と持続可能性関連情報の提供に関する調和された規則を確立することを目的としている。
同規制には、持続可能性に焦点を当てた投資ファンドの分類レベルが含まれており、”環境または社会的特性、あるいはそれらの組み合わせを促進する”「第8条」ファンドと、より厳格な「第9条」ファンドがあり、「持続可能な投資をその目的とする」ものである。
持続可能な投資商品を持つ資産運用会社は、2023年1月からSFDRに基づく開示の提供を開始することが求められるが、PAI要件など、いくつかの重要な報告の詳細については依然として不透明である。例えば最近、資産運用会社のAmundiは、”現在の規制の枠組みでは、何が「持続可能」とみなされるべきかどうかについて、金融業界が統一的に対応することはまだできない “として、450億ドルの第9条ファンドのほぼすべてを低い持続可能性レベルに再分類した。
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欧州委員会金融安定・金融サービス・資本市場連合事務局長ジョン・ベリガン氏への書簡で、ESAは、要求されたインプットを当初の時間枠で提供するには、ステークホルダーや専門機関との協議が必要であること、DNSH(著しく有害でない)枠組みなどの側面に取り組み、PAI指標の計算式を開発するための技術的要求などの課題があると指摘した。
さらに、欧州委員会から当局に対し、SFDRの原子力・ガス関連規則に関する作業を緊急に要請されたため、レビューに集中することができなかったと、ESAは述べている。
【参考ページ】
(原文)ESG: ESAs confirms delay to proposed amendments to SFDR RTS