WEF、「Medicine from the Sky(空からの医療)」ドローン提供プログラムを始動

 

8月15日、世界経済フォーラムは(WEF)はインド、アルナーチャル・プラデーシュ州、東カメン地区セッパ における、「Medicine from the Sky(空からの医療)」の開始を発表した。

「Medicine from the Sky(空からの医療)」は2020年6月に、世界経済フォーラムがアルナーチャル・プラデーシュ州と提携し、遠隔地の部族地域における医療物流と配達におけるドローンの活用について議論するセッションを開催したことに端を発する。洪水や地滑りは、しばしば医療のラストマイル配送に影響を与え、住民を孤立させる。本セッションの後すぐに、世界経済フォーラムとインド公衆衛生財団によるインド北東部の現地視察が行われた。現地の医療従事者との話し合いや、遠隔地の医療施設の視察を通じて、州内全域にドローン回廊が緊急に必要であることが明確になった。

本プログラムの目的は、同州の遠隔地の医療システムが、ドローンを使ったサプライチェーンの統合にどのように対応するかを記録することにある。全国各地で信頼醸成のためのパイロット計画が数多く実施された後、アルナーチャル・プラデーシュ州の取り組みでは、より深い運用計画と観察を含むより精巧な課題に焦点が当てられている。

6カ月間のプログラムは、次の4つの柱を中心に進められる予定である。

  • 基本的な医療ニーズ
    ワクチン、鉄、葉酸、栄養補助食品、予防薬・大衆薬の投与、診断用サンプル採取、緊急薬、血液・血液製剤の定期的なサービス
  • 生態系のスキルレベル、地形、天候への配慮
    工学、医学、救急医療、人文科学、経営学の大学、技術・技能開発機関など、地元の利害関係者の特定、天候データおよびリアルタイム予測の継続的なソースの確保
  • 生存性、拡張性、持続可能性
    資源の見積もり、影響評価、経済性
  • ドローンプラットフォームのストレステスト
    利用可能なテクノロジーが起伏のある地形に対応できるかの確認

地方の若者の意識を高める初の試みとして、東カメンの地方長官は、村の学生を対象にしたドローンに関する作文コンテストと並行して、参加するすべての村の長に「ドローン大使」の指名を呼びかけた。

インドの独立75周年を記念して、東カメン地区では、州政府高官、医療従事者、地元の若者、主要パートナーが参加して、本取り組みが正式に開始される予定である。東カメンは、SAMRIDH Healthcare Blended Financing FacilityとUSAID(米国国際開発庁)の支援を受けている。

【参照ページ】
(原文)World Economic Forum’s `Medicine from the Sky` Drone Delivery Programme Set for Take-off in Indian State of Arunachal Pradesh
(日本語訳)WEF、「Medicine from the Sky(空からの医療)」ドローン提供プログラムを始動

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