8月10日、株式会社三井住友銀行、米Persefoni AI, Inc.、日本アイ・ビー・エム株式会社は、温室効果ガス(GHG) 排出量可視化・分析管理を支援するサービスの提供を共同で進めていくことを目的として、基本合意書を締結した。具体的には、Persefoniのグローバル規模の炭素会計プラットフォームを、コンサルティング・システム導入・構築において多数の実績を有する日本IBMとともに三井住友銀行が、その顧客に提供することで、脱炭素に向けた取り組みを支援するものである。また、基本合意書締結に加え、三井住友銀行は日本の金融機関で初めて、自行のGHG排出量可視化のためにPersefoniのプラットフォームを長期導入することを決定した。
Persefoniの炭素会計プラットフォームは、グローバルで利用可能、及び各地域特有の排出係数を組み込み、GHGプロトコルやPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)に準拠したスコープ1、2、3の排出量を算定・分析・管理することができる。特に、スコープ3のカテゴリ11(販売した製品・サービスの使用等による排出)やカテゴリ15(投融資先の排出量)などの排出量算定に強みを有している。また、プラットフォームには、SBT(Science Based Target)に準拠した目標設定・管理を提供する気候変動モデリング機能も有しており、顧客の脱炭素計画の策定も支援する。本合意により、自動的な炭素会計ソリューションの需要が急速に高まっている日本市場において、Persefoniのプラットフォームを迅速に提供することが可能になる。
日本IBMは、金融業界を長く支援してきた実績をもとに、顧客と共創する「IBM Garage」手法を用いてデータ・サイエンティストが開発したツールを提供する。これにより、本サービスを採用する顧客に、Persefoniプラットフォームへのデータ入力プロセスの自動化とGHG排出量の計算出力およびレポート作成機能を提供する。本ツールは企業がGHG排出量計算に必要な大量のデータを取り扱う上で、データ収集と計算処理・データ加工が可能なワンストップの統合データ基盤上で開発されている。
三井住友銀行と日本IBMは、2022年春より、米The Climate Services, Inc.と共に、気候変動に伴うリスク・機会の分析を支援するサービスを提供開始している。
三井住友銀行がPersefoniプラットフォーム導入を決定したのは、日本国内のみならずグローバルで排出量管理を行うことができるためである。三井住友銀行は、Persefoniプラットフォームが三井住友銀行と同様に海外に幅広く展開している企業が直面する、非常に複雑な計算、多様な排出係数、包括的な排出量管理といった課題を支援できると考えている。SMBCグループでは、「SMBC Group GREEN Innovator」を掲げ、顧客が抱える多様なサステナビリティーに関する経営課題を解決する支援を行っており、脱炭素社会の移行と実現のため、これからも積極的にサステナビリティー実現に貢献していく。