3月29日、BASFは、ネット・ゼロ製品と製品のカーボンフットプリント・トレーサビリティツールの提供計画を発表した。同社は、二酸化炭素排出量を削減した製品をいち早く提供し、顧客が自らの排出量削減目標を達成できるようにすることを目指すと述べている。
同社は、投資家や金融アナリスト向けに、気候変動に関する公約の達成に向けた進捗状況を報告する中で、本取り組みを発表した。BASFは昨年、2050年までにScope1と2の排出量を完全にゼロにする目標、2030年までに排出量を25%削減する目標、目標達成のために2025年までに最大10億ユーロ(約1,400億円)を投資する計画など、一連の気候に関する目標を発表している。
同社は、製品の需要が供給を上回り、その市場価値によって生産コストの上昇を補うことができると見込んでいる。
BASFは、グリーン電力・低炭素スチーム・バイオベースの原料などを使用することで、ネット・ゼロ、低炭素製品を提供できると述べている。同社は、従来の消費財に代わる製品への消費者の関心の高まりや、排出量削減に向けた個人的な貢献を反映し、できるだけ多くのこうした製品を大量に提供することを目指している。
BASFの製品は、世界中の何千もの企業の製品の構成要素を形成している。低炭素の選択肢を提供することで、ほとんどの企業の気候変動への影響の大きな割合を占めるサプライチェーン材料の影響を低減し、企業のスコープ3排出量の削減に貢献することができる。グリーン電力・低炭素スチーム・バイオベース原料などのプロセスを用いて、ネット・ゼロ、低炭素製品を提供する。BASFは、排出量削減ソリューションに対する強い需要に基づき、低炭素製品の市場価値は生産コストの上昇を補って余りあると予想している。
またBASFは、自社製品のサステナビリティ・プロファイルの透明性を顧客に提供するため、約45,000の製品についてProduct Carbon Footprint(PCF)を計算するソリューションを開発した。本ソリューションでは現在、上流のScope 3排出量を含めるための基礎として工業平均やデータベースを使用しているが、同社はデータの質を向上させるため、サプライヤーと協力して原材料データの改善に取り組んでいる。
【参照ページ】
(原文)BASF Confirms Ambitious Climate Targets
(日本語訳)BASF、ネット・ゼロ製品の提供を開始