1月11 日、世界経済フォーラム(WEF)は、「グローバルリスク報告書2022」を発表した。本報告書によると、トップ3の長期リスクは気候変動関連で全て占められた(1.気候変動対応への失敗、2.異常気象、3.生物多様性の喪失)。
一方、短期のトップリスクは社会的分裂、生活破綻の危機、そしてメンタルヘルスの悪化などが挙げられている。さらに、ほとんどの有識者が今後 3 年間の世界的な回復は不安定で不均衡なものになると考えている。
今回で 17 回目となる本報告書は、四半期ごとの報告サイクルや政策立案だけにとらわれず、今後数年間に起き得るリスクの管理と対応策の検討の必要性をリーダーたちに呼びかけている。さらに報告書では、「サイバーセキュリティ」、「宇宙開発競争」、「無秩序な気候変動対策」、そして「移民の圧力」の 4つの新興リスクについても探求しており、これらのリスクを効果的に管理するためにはグローバルな協調が必須であることが示されている。
本報告書は、新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミックの 2 年目を振り返り、国レベルのレジリエンスについて新たな洞察を得て、締めくくられている。また、最終章では、世界経済フォーラムのリスク専門家コミュニティである Chief Risk Officers Community と Global Future Council on Frontier Risks を活用して、組織のレジリエンスを実現するための実践的なアドバイスを提供している。
【参照ページ】
(原文)Climate Failure and Social Crisis Top Global Risks 2022
(日本語訳)グローバルリスク報告書 2022 年版:気候変動への適応の失敗と社会的危機