12月7日、 世界経済フォーラムは「Human-Centred AI for Human Resources」を発表した。これは人事(HR)における人工知能の責任ある利用をスケールアップするための「人事担当者向けツールキット」である。ツールキットには、AIベースのHRツールの責任ある使用における主要なトピックとステップを網羅したガイドと、戦略的なプランニングと特定のツールの導入に焦点を当てた2つのチェックリストが含まれている。
本論文によると、現在AIを利用したHRツールは250種類にのぼるとされている。これらのツールは、より効果的、公正、効率的な方法で人材を管理することを目的としている。
しかし、HRにおけるAIの使用はデータプライバシーや偏見といった分野でAIが問題を起こす可能性があることから懸念点も多い。またHRにおけるAIの使用は、いくつかの国でその使用を規制する動きがあることから、組織に対して運用、風評、法的リスクをもたらすことにつながる。そのため、HRにおけるAIには高い関心がある一方で、不安もあり、組織はこの複雑化する状況を乗り切ろうとしている。
今般のツールキットは、組織がこれらの課題を克服するために作成された。世界経済フォーラムによると、人事、データサイエンス、雇用法、倫理の50人以上の専門家を集め、この分野におけるAIの責任ある活用のための実践的なツールキットにしたという。
また、ツールキットの内容は、フォーカスグループ、ワークショップ、綿密なパイロットを通じて、民間、公共、市民社会組織の300人以上の人事専門家によって検討された。
ツールキットとともに発行された付属のホワイトペーパーでは、HRにおけるAIの新たな問題について論じられている。
【参照ページ】
(原文)Artificial Intelligence for Human Resources Toolkit Helps Organizations Overcome Implementation Challenges
(日本語訳)世界経済フォーラム、人事担当者に向け、AI利用に関するツールキットを発表