EU金融監督当局、ESGリスクを統合したストレステスト指針を最終化

1月8日、欧州銀行監督機構(EBA)、欧州証券市場監督機構(ESMA)、欧州保険・企業年金監督機構(EIOPA)から成る欧州監督当局(ESAs)は、環境・社会・ガバナンス(ESG)リスクを金融監督上のストレステストに一貫して組み込むための共同ガイドライン最終報告書を公表した。本指針は、各国の監督当局が実施する監督ストレステストにおいて、長期的視点と共通の評価基準を確保することを目的とする。

ガイドラインは、銀行・保険分野に適用される既存のEU指令に基づき、ESGリスクを既存のストレステスト枠組みに統合する方法、または補完的なシナリオ分析として評価する方法を整理した。特に初期段階では、気候変動を中心とする環境リスクを優先し、物理的リスクと移行リスクの双方を対象とする。その上で、データや手法の成熟度に応じ、社会・ガバナンス要素へ段階的に範囲を拡大する方針が示された。

時間軸については、短期(最大5年)での資本・流動性の耐性評価と、少なくとも10年を見据えた長期的な事業モデルの持続性評価を区別する。シナリオ設計では、IPCCやNGFSなど国際機関の科学的知見を活用し、複合リスクや波及効果の考慮も求めている。

ESAsは2025年に実施した公開協議の結果を踏まえ、全体方針を維持しつつ文言を調整した。ガイドラインはEU公式言語に翻訳後、公表され、2027年1月1日から適用される。各国監督当局は、公表後2か月以内に遵守状況を通知する必要がある。

(原文)ESAs publish joint Guidelines on ESG stress testing
(日本語参考訳)ESAがESGストレステストに関する共同ガイドラインを発表

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