マッコーリー・アセット・マネジメント、グリーンエネルギー移行基金を最終クローズ 

9月19日、豪マッコーリー・アセット・マネジメントは「マッコーリー・グリーン・エネルギー・トランジション・ソリューションズ(MGETS)」の最終クロージングを終了し、ファンド本体と共同投資枠を合わせて総額30億米ドル超を確保したと発表した。当初の目標額20億ドルを大きく上回り、年金基金や保険会社、ソブリン・ウェルス・ファンドなど世界各地の機関投資家が参加した。

MGETSはマッコーリー初のエネルギー移行特化ファンドで、成熟した再生可能エネルギーを超えた分野に注力する。エネルギー貯蔵、分散型エネルギー、再生燃料、クリーン輸送、炭素回収、循環型経済といった分野に投資し、脱炭素化を支援する。

ファンドは既に12件の投資を完了し、65%超をコミット済みである。欧州・アジア太平洋の蓄電事業Eku Energy、持続可能航空燃料のSkyNRG、北米の分散型エネルギー企業Calibrant Energy、フランスのEV電池メーカーVerkorなど、多様なポートフォリオを形成している。

ファンド本体で24億米ドル超、さらに6億4700万米ドルの共同投資を調達している。また、インドの車両電動化プラットフォームVerteloに対しては、専用の投資ビークルを通じて4億500万ドルを確保し、そのうち1億3300万米ドルがMGETSから拠出された。

マッコーリーのグリーン投資チームは現在170億米ドル規模の資産を運用し、世界30社超と協働する。MGETSの責任者クリス・アーチャーは「世界的なエネルギー転換は巨額の投資機会を生む。私たちは技術的に成熟したソリューションを広く展開することで、インフラの将来像を形づくりながら投資家に魅力的なリターンを提供する」と述べ、投資先企業の成長とリスク低減を通じた市場拡大に自信を示した。

(原文)Macquarie Asset Management reaches $US3 billion close of Green Energy Transition Solutions Fund and co-investment commitment
(日本語参考訳)マッコーリー・アセット・マネジメント、グリーンエネルギー移行ソリューション・ファンドおよび共同投資コミットメントで30億米ドルの調達を完了

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-1

    食品ロスによる経済損失は4兆円 温室効果ガス排出は1050万トンに

    8月、消費者庁が委託した「令和7年度 食品ロスによる経済損失及び温室効果ガス排出量に関する調査報告…
  2. 2025-9-29

    ベイン、「サステナビリティ経営者ガイド2025」公表、AI活用進展も環境負荷に懸念

    9月15日、経営コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーは最新調査報告書「サステナビリティ経…
  3. TNFD開示を効果的に進めるには:投資家のニーズと開示のポイント

    2025-9-29

    TNFD開示を効果的に進めるには:投資家のニーズと開示のポイント

    TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に基づく開示は、国際的に重要性を増しており、多くの企…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る