
7月17日、INEOSは、英ハルの製造拠点において3,000万ポンド(約63億円)を投じ、水素燃料への転換を完了したと発表した。これにより同拠点のCO₂排出量は75%削減された。これは約16万台のガソリン車の排出量に相当し、同社のネットゼロ目標に向けた重要な前進となる。
対象となったのは、INEOS Acetylsが操業するサルテンドの施設であり、欧州で唯一の酢酸・酢酸無水物・酢酸エチルの工業規模生産拠点である。これらの化学品は医薬品や水処理など日常生活に不可欠な用途を持つ。
導入された水素は、既存の製造工程から副産物として得られるものであり、資源の効率的活用とされる。CEOのデービッド・ブルックス氏は、「3,000万ポンドを投じて排出を削減し、操業を将来にわたって維持可能にする」と述べた。
今回のハルでのアップグレードは、グランジマスやケルンなど他拠点で進行中の脱炭素化プロジェクトの一環であり、同社は「2050年を待たず、今すぐ行動する」と強調している。
INEOS Acetylsは世界で500人超を雇用しており、ハル拠点では300人以上が直接雇用され、地域のサプライチェーンにも広く貢献している。
(原文)INEOS Invests £30 Million to Slash Emissions at Hull Site by 75%
(日本語参考訳)INEOS、ハル工場の排出量を75%削減するため3000万ポンドを投資