SEC、インベスコを誤解を招くESG投資表示で告発、1,750万ドルの罰金

11月8日、米国証券取引委員会(SEC)は、アトランタ拠点の登録投資顧問会社インベスコ・アドバイザーズに対し、環境・社会・ガバナンス(ESG)要因を投資判断に反映しているとする資産割合について誤解を招く発表を行ったとして、1,750万ドル(約27億円)の民事罰金を科すと発表した。インベスコは2020年から2022年にかけ、全社資産の70~94%がESG統合(非財務情報を投資判断に組み入れ)されていると顧客やマーケティング資料で述べていたが、実際にはESG要因を考慮していないパッシブETFも含まれていた。

SECの命令によると、インベスコはESG統合に関する明確な書面方針を持たず、ESG関連の投資トレンドに乗じた虚偽の主張を行ったとされる。SEC執行部の代理ディレクターであるサンジェイ・ワードワ氏は「ESG統合の主張は商業的価値を見出してのものであり、主張だけでは実現しない」と述べ、企業は顧客と投資家に対し正直であるべきだと強調した。

同社は、投資会社法に違反したとされたが、嫌疑には言及せず、SECの違反停止命令に従うこと、譴責を受けること、そして罰金を支払うことで合意した。

【参照ページ】
(原文)SEC Charges Invesco Advisers for Making Misleading Statements About Supposed Investment Considerations

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGデータで未来を創る:シェルパ主催CSuOラウンドテーブル開催レポート

    2024-12-13

    ESGデータで未来を創る:シェルパ主催CSuOラウンドテーブル開催レポート

    ESG Journal Japanを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社は、202…
  2. 2024-12-11

    ユニリーバがNufarmとサステナブルなオイルの生産を加速

    11月26日、ユニリーバはオーストラリアの化学メーカーであるNufarmとのパートナーシップを発表…
  3. SSBJ基準案へのFAQ解説:サステナビリティ開示準備ガイド

    2024-12-10

    SSBJ基準案へのFAQ解説:サステナビリティ開示準備ガイド

    SSBJが新基準案を発表し(2024年3月)、企業のサステナビリティに関連する情報開示の制度化が進…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る