11月8日、米国証券取引委員会(SEC)は、アトランタ拠点の登録投資顧問会社インベスコ・アドバイザーズに対し、環境・社会・ガバナンス(ESG)要因を投資判断に反映しているとする資産割合について誤解を招く発表を行ったとして、1,750万ドル(約27億円)の民事罰金を科すと発表した。インベスコは2020年から2022年にかけ、全社資産の70~94%がESG統合(非財務情報を投資判断に組み入れ)されていると顧客やマーケティング資料で述べていたが、実際にはESG要因を考慮していないパッシブETFも含まれていた。
SECの命令によると、インベスコはESG統合に関する明確な書面方針を持たず、ESG関連の投資トレンドに乗じた虚偽の主張を行ったとされる。SEC執行部の代理ディレクターであるサンジェイ・ワードワ氏は「ESG統合の主張は商業的価値を見出してのものであり、主張だけでは実現しない」と述べ、企業は顧客と投資家に対し正直であるべきだと強調した。
同社は、投資会社法に違反したとされたが、嫌疑には言及せず、SECの違反停止命令に従うこと、譴責を受けること、そして罰金を支払うことで合意した。