EIOPA、化石燃料資産への追加資本要件を提言

11月7日、欧州保険年金機構(EIOPA)は、Solvency IIにおけるサステナビリティリスクの資本処理に関する最終報告書を公表した。化石燃料関連資産の高リスクを反映し、保険会社に追加の資本要件を課すことを推奨している。

EIOPAの分析によると、化石燃料関連の株式と債券は移行リスクに対して特に脆弱である。このため、株式には最大17%の追加資本要件、債券には最大40%の資本充当を提案している。これにより、保険会社が潜在的な損失に十分備えることを可能にする。

また、非生命保険の引受リスクにおける気候適応措置の効果も分析されたが、現時点ではさらなるデータ収集が必要とされる。社会リスクに関しては、データ不足のため具体的な資本処理は推奨されていないが、今後の分析で対応を進める方針だ。

【参照ページ】
(原文)EIOPA recommends a dedicated prudential treatment for insurers’ fossil fuel assets to cushion against transition risks
(日本語参考訳)EIOPAは移行リスクを緩和するために保険会社の化石燃料資産に対する専用の健全性措置を推奨している。

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-4-22

    経済産業省、企業の競争力強化を目指す「ダイバーシティ経営レポート」を発表

    4月7日、経済産業省は「多様性を競争力につなげる企業経営研究会」の議論を基に、企業価値向上につなが…
  2. 2025-4-21

    中国財政部、6億元規模の人民元建てグリーンボンドをロンドン証券取引所に上場

    4月3日、中国財政部(MOF)は、人民元建てグリーンボンド6億元分(満期3年および5年、約118億…
  3. 2025-4-18

    IFRS財団とTNFD、自然関連財務情報開示で正式に協働へ

    4月9日、IFRS財団と自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は、自然資本に関する情報開示…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る