カリフォルニア州、2035年までにガスエンジン車販売終了

カリフォルニア州、2035年までにガスエンジン車販売終了

8月25日、カリフォルニア州の公害と大気の質に特化した機関であるカリフォルニア大気資源委員会(CARB)は、2035年までに州内で販売するすべての新車、ピックアップトラック、SUVをゼロエミッション車(ZEV)にすることを義務付ける規則を承認したと発表した。

新ルール「Advanced Clean Cars II」は、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムが2020年に行政命令で定めた目標を成文化したもので、現在カリフォルニア州の車両規則に準じており、米国の新車販売の約40%を占めるニューヨーク、マサチューセッツ、ニュージャージーなどいくつかの州にとって新たな基準となる。

2035年の目標に加え、2026年に35%以上、2030年に68%のZEV を導入するという、年ごとのロードマップが設定されている。プラグインハイブリッド車(PHEV)については販売継続の余地を残しているが、実走行で50マイル以上の航続距離を確保する必要があり、ZEV要求全体の20%までしかPHEVで対応できないとしている。

燃料生産を含む輸送は、カリフォルニア州の温室効果ガス(GHG)排出量の約半分、大気汚染物質の80%を占めている。CARBによると、新規制により、自動車、ピックアップ、SUVからのGHG排出量は2040年までに半減し、2045年までにカーボンニュートラルを達成するというカリフォルニア州の目標に大きく貢献する。

カリフォルニア州の新ルールは、この後にも米国環境保護庁(EPA)の承認が必要である。バイデン政権は、インフレ抑制法でZEV購入のための税額控除を提供する、全米EV充電網の整備に数十億円を充てるなど、ゼロエミッション車の普及を加速させる動きを見せている。カリフォルニア州の新ルールは、2030年までに米国内の新車販売台数の半分をZEVにするという政権独自の要求よりも大幅に踏み込んだものとなる。

【参照ページ】
(参考記事)California to end sales of gasoline-only cars by 2035

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-12

    BCG支援のVC、Bキャピタル、気候変動プラットフォームのリードへ向け新たな幹部を発表

    4月8日、マルチステージのベンチャー投資会社であるBキャピタルは、気候変動投資プラットフォームの拡…
  2. 日本、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    2024-4-11

    SSBJ(サステナビリティ基準委員会)、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    4月3日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(…
  3. 2024-4-11

    ブラックロック、ESG政策を理由に1.3兆円の資産売却を決定したテキサス州を「無謀」とし、再考を促す

    3月21日、ブラックロックは、テキサス州教育委員会がエネルギー企業への「ボイコット」とESG投資慣…

アーカイブ

ページ上部へ戻る