オーストリア、40億ユーロのグリーンボンド募集で「Greenium」を取得

5月24日、オーストリアは、持続可能な投資のための資金調達として40億ユーロ(約5,400億円)を調達し、初のグリーンボンド発行を発表した。この27年債は、7倍近い応募があり、グリーンボンドに比べ2.5bpの「Greenium」、すなわちグリーンボンドでない類似の債券に比べ有利な利回りスプレッドを獲得した。

本公募は、オーストリア財務省が最近発表したグリーンボンドの枠組みを受けたもので、グリーンボンド発行による収益からの投資対象カテゴリーを概説している。今回の募集で得られる資金は、クリーンな輸送手段、再生可能エネルギー、持続可能な上下水道管理、生物多様性の増加、汚染防止など、オーストリアの「グリーン転換」を支援する投資に充てられる予定だ。

当フレームワークは、ISS ESGからセカンド・パーティ・オピニオン(SPO)を取得し、同社のサステナビリティ戦略にも合致している。また、SPOは、このフレームワークがEUのタクソノミーの要件に合致していることを確認し、ソブリン発行会社としては初の試みとなった。

本取引には200人以上の投資家が参加し、割り当ての65%がユーロ圏の投資家に、20%が英国の投資家に配分された。投資家の種類別内訳は、ファンドマネージャーが47%、銀行が21%、保険・年金基金が18%となっている。グリーン投資家は全体の70%を占めた。

【参照ページ】
(原文)Austria sells first ever green bond
(日本語訳)オーストリアが史上初のグリーンボンドを販売

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025-7-11

    ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025年7月に公表されたSASBスタンダードの改訂案は、IFRS S2の産業別ガイダンスと連動す…
  2. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  3. 2025-7-10

    EUタクソノミーの簡素化で企業の負担軽減へ―欧州委、報告義務緩和を採択

    7月4日、欧州委員会は、EU共通の分類基準であるEUタクソノミーに関する一連の簡素化措置を採択した…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る