R&I、国内初、インパクトボンドに対するセカンドオピニオンの提供を開始

 

10月31日、株式会社格付投資情報センター(R&I)は、インパクトボンドに対するセカンドオピニオンの提供を開始した。インパクトボンドはグリーンボンド等を発行する際に通常求められる開示項目に加えて、発行体が自身の事業が環境・社会・経済に与える影響(インパクト)を管理する体制に関する事項を併せて開示する債券である。

発行体はグリーンボンド等の報告事項のほか、インパクトに関わる重要業績指標(インパクト KPI)を定期的に報告する。社債投資家は発行体のインパクト管理を通じて環境・社会に貢献度の高い事業投資に参画することができる。

R&I は発行体のインパクト管理体制が国際原則等に適合していることを確認するとともに、国際標準の手法を使って事業のインパクトを評価したセカンドオピニオンを提供する。R&I は同日付で豊田合成株式会社の「サステナブル&ポジティブインパクト・ファイナンス・フレームワーク」(インパクトボンド等の開示の枠組み)に示されるインパクト管理体制が国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEPFI)のポジティブインパクト金融原則(PIF 原則)に適合していることを確認するとともに、インパクト・マネジメント・プロジェクトが提唱する分析手法「インパクトの 5 側面」「ABC アプローチ」を使って豊田合成の事業が生み出すインパクトについて評価した。本件はインパクトボンドの発行に向けた国内初の取り組みである。

R&I は 2016 年に日本の事業会社による初のグリーンボンドに「R&I グリーンボンドアセスメント」を提供して以来、ESG ファイナンスの外部評価の先駆者としての役割を担ってきた。2022 年には金融庁「ESG 評価・データ提供機関に係る行動規範」への賛同を表明し、評価会社としての役割を果たすべく積極的に取り組んでいる。

【参照ページ】
国内初、インパクトボンドに対するセカンドオピニオンの提供を開始

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-12-11

    ユニリーバがNufarmとサステナブルなオイルの生産を加速

    11月26日、ユニリーバはオーストラリアの化学メーカーであるNufarmとのパートナーシップを発表…
  2. SSBJ基準案へのFAQ解説:サステナビリティ開示準備ガイド

    2024-12-10

    SSBJ基準案へのFAQ解説:サステナビリティ開示準備ガイド

    SSBJが新基準案を発表し(2024年3月)、企業のサステナビリティに関連する情報開示の制度化が進…
  3. 2024-12-6

    金融庁、「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」を発表:サステナビリティに関する開示を強化

    11月8日、金融庁は「記述情報の開示の好事例集2024(第1弾)」を公表した。本事例集は、企業がサ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る