スイス政府は、持続可能な金融市場に参加するソブリン債発行者の増加に伴い、グリーンコンフェデレーション債の発行計画を発表した。
スイス連邦議会の発表によると、グリーンボンド市場に参加することで、スイスは持続可能性へのコミットメントを示し、スイスの金融センターが持続可能な金融サービスにおける国際的なリーダーとなるためのさらなる努力を目指している。
今回の発表は、持続可能な金融市場が大きく成長している中で行われた。ムーディーズ社が最近発表したレポートによると、2021年の第1~3四半期におけるグリーンボンドの発行額は、前年同期比75%増の3,800億ドルと記録的に急増し、通年のサステナブルボンドの発行額は1兆ドルを超えると推定されている。
この急成長の背景には、企業や、最近ではソブリンの発行体による市場への参加が増えていることが挙げられる。スイスは、今後予定されているグリーンボンドの発行により、100億ポンド(約1兆5,283億円)のグリーンギルトの発行を開始した英国や、120億ユーロ(約1兆5,700億円)という記録的な発行額を達成したEUなどに加わることになる。今年初めには、スペインが初の50億ユーロのグリーンボンドを発行したほか、カナダが50億ドル (約5,696億円)のグリーンボンド発行計画を発表し、イタリアやドイツなどの国々も初のグリーンボンドを発行した。
グリーンボンドとは、発行者が資本市場で資金を調達し、その資金を再生可能エネルギー、エネルギー効率、生物多様性の保全、グリーンビルディングなどの適格なグリーンプロジェクトに利用することを目的とした債券である。スイス連邦議会によると、連邦財務局(FFA)は、連邦環境・運輸・エネルギー・通信局(DETEC)と協力して、2022年末までにグリーンボンドのフレームワークを作成し、グリーンコンフェデレーションボンドの発行による投資対象のカテゴリー、プロジェクトの選定プロセスの詳細、報告義務などを盛り込む予定である。
【参照ページ】
(原文)Federal Council wishes to show its commitment to sustainability with green Confederation bonds
(日本語訳)スイス政府、グリーンボンドの発行計画を発表