11月2日、バイデン大統領は、気候危機は、現代における最大の経済的機会のひとつであるというビジョンに基づき、 「米国メタン排出削減行動計画」 を発表した。
米国は未来のクリーンエネルギー経済をリードしており、さまざまな分野で、研究、開発、展開といったイノベーションのすべての段階で取り組みを行っている。エネルギー省の報告によると、2020年にはほとんどのエネルギー分野で雇用が失われたが、パンデミックの中で成長を続けた分野は、風力発電、バッテリー貯蔵、ハイブリッド車やEVだった。世界的に見ても、国際エネルギー機関は、ネット・ゼロ経済に移行することで、2030年までにエネルギー、建設、自動車の各分野で全世界で3,000万人の雇用が創出され、そのうち65%は高技能職になると試算している。米国は、排出削減の可能性だけでなく、主要なセクターにおける経済成長と雇用機会創出の実現にコミットする。
またバイデン大統領は、米国がイノベーションと脱炭素化を推進するために世界各国とどのように協力しているかを発表した。その中には、脱炭素化への道筋を示す「Net-Zero World」、企業による再生可能エネルギーの調達を促進する「Clean Energy Demand Initiative」、産業、航空、大型輸送機関に必要な新技術の需要信号を送ることでイノベーションを推進する「First Movers Coalition」が含まれている。
米国は世界中のパートナーと協力して、気候変動に対応した経済成長と開発のために官民の資金を動員する取り組みを進めている。その中には、「Build Back Better World(B3W)」を通じたインフラ開発に気候変動の視点を取り入れることや、南アフリカとの新たなパートナーシップを含めた米国およびその他の国におけるクリーン産業での雇用創出、USTDAとUSAIDのプログラムを通じた気候変動に対応した開発のための銀行融資可能なプロジェクトのパイプラインの強化と民間投資の促進などが含まれる。
また、米国は気候危機の解決には自然の生態系が重要な役割を果たすことを認識しており、農業イノベーションを促進する「AIM for Climate」や、森林やその他の重要な生態系の保全・回復に向けた世界的な取り組みを促進する「Plan to Conserve Global Forests」などの主要な取り組みを開始した。
【参照ページ】
(原文)Fact Sheet: President Biden Tackles Methane Emissions, Spurs Innovations, and Supports Sustainable Agriculture to Build a Clean Energy Economy and Create Jobs
(日本語訳)バイデン大統領、「米国メタン排出削減行動計画」を発表