ダイムラートラック、水素燃焼エンジン商用化へ KEYOUと提携し2027年投入目指す

6月22日、商用車大手のDaimler Truckは、水素燃焼エンジン技術を手掛けるドイツ企業KEYOU GmbHと提携し、水素を燃料とする内燃機関トラックの市場投入を目指すと発表した。両社は2027年の商用化を計画しており、脱炭素化が求められる貨物輸送分野において、既存の脱炭素ドライブ技術を補完する新たな選択肢として市場投入を目指す。
提携では、ダイムラートラックが製造する既存のトラック車両とエンジンをベースに、KEYOUが水素燃焼エンジン向けの技術改修を行う。最初の製品として、メルセデス・ベンツの大型トラック「Actros L」を基盤とした「KEYOU HICE.40」を開発し、市場投入する計画だ。
同車は総重量40トン級のトラクターヘッドで、350バールの圧縮水素を使用する。KEYOUによると、航続距離は最大650キロメートル、出力は最大350キロワットを見込んでいる。
商用車業界では、輸送部門の脱炭素化に向けて電動化や水素利用が進められている。ダイムラートラックはこれまで、バッテリー電気トラックと燃料電池トラックの両方を開発する「デュアル戦略」を採用してきた。今回の提携により、水素燃焼エンジンを第三の選択肢として加える形となる。
水素燃焼エンジンは、水素を燃料として内燃機関で燃焼させる方式で、燃料電池と比べて構造が比較的単純であることや、既存のエンジン製造設備や車両設計を活用しやすいことが特徴とされる。一方で、エネルギー効率の面では燃料電池方式に劣るとの指摘もあり、用途や運行条件に応じた使い分けが議論されている。
今回の協業では、車両開発だけでなく、保守・整備体制の構築も検討される。両社は既存のサービスネットワークの活用について協議を進め、運送事業者が安定的に車両を運用できる環境整備を目指す。
また、水素燃焼トラックの普及には燃料供給インフラの整備が課題となる。KEYOUは、水素ステーション整備事業との連携も視野に入れており、ドイツ連邦交通省の支援策などを活用しながら需要拡大を図る考えだ。ダイムラートラックも、気体水素と液体水素の双方に対応する水素充填インフラの整備を支持している。
欧州では輸送部門の温室効果ガス削減が重要課題となっており、商用車メーカー各社は電気自動車や燃料電池車への投資を加速させている。こうした中、水素燃焼エンジンは既存技術との親和性や導入コスト面での利点から、一部の長距離輸送や高積載用途における脱炭素技術として注目されている。
両社は、2027年以降に水素燃焼トラックの本格展開を進めることで、道路貨物輸送の脱炭素化に貢献したいとしている。
原文:Daimler Truck Partners with KEYOU on Hydrogen Combustion Technology
日本語参考訳:ダイムラートラックがKEYOUと水素燃焼技術で提携
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