欧州委、チェコのバイオメタン生産支援策を承認 総額37億ユーロ

4月14日、欧州委員会は持続可能なバイオメタン生産設備の建設を支援するチェコの総額37億ユーロの国家補助制度を承認したと発表した。クリーン産業ディールの目標に沿った措置で、ネットゼロ経済への移行を後押しする狙いがある。承認は、欧州委が2025年6月25日に採択した「クリーン産業ディール国家補助枠組み(CISAF)」に基づく。
制度の対象は輸送、暖房、産業用途向けの持続可能なバイオメタン生産で、実施期間は2030年12月31日まで。新設のバイオメタン生産施設に加え、既存のバイオガス施設をバイオメタン施設へ転換する案件も支援対象となる。利用資格はチェコ国内でガス生産ライセンスを持つバイオメタン生産事業者に与えられ、支援を受けるにはEU再生可能エネルギー指令の要件を満たす必要がある。欧州委は、主に中小規模の農場が恩恵を受けるとみている。
支援は差額決済契約(CfD)を用いた直接的な価格支援の形で実施される。制度では、あらかじめ定めた基準価格に基づき、生産されたバイオメタン1メガワット時(MWh)ごとに15年間の上乗せ支援を行う。天然ガスの市場価格が基準価格を下回る場合は政府が差額を支払い、逆に市場価格が基準価格を上回る場合は事業者が差額を返還する仕組み。支援対象事業者は競争入札で選定される。
この制度により、合計で年間3億5,000万標準立方メートルの持続可能なバイオメタン生産能力が支えられる見通しで、クリーン産業ディールの目標達成に資する案件と位置づけられている。
欧州委は、EU機能条約107条3項(c)およびCISAFに照らして制度を審査した。その結果、支援対象量や予算が明確に示されていること、二方向の差額決済契約による直接価格支援であること、さらに競争的な入札手続きを通じて支援先を決定することなどから、CISAFの条件に適合すると判断した。また、この制度がネットゼロ経済への移行を加速し、クリーン産業ディールの実施に重要な経済活動の発展を促すうえで、必要かつ適切であり、過度でもないと結論づけた。これを受け、EU国家補助規則の下で正式に承認した。
CISAFは、ネットゼロ経済への移行に重要な分野での支援策を促進するため、2025年6月に導入された。再生可能エネルギーや低炭素燃料の導入加速、エネルギー多消費産業向けの一時的な電力価格軽減、産業プロセスの脱炭素化、クリーン技術製造能力の確保、さらに民間投資のリスク低減策などを認めている。
欧州委によると、今回の決定の非機密版は、機密情報の整理後に競争総局の国家補助登録簿へ掲載する予定だ。
原文:Commission approves €3.7 billion Czech State aid scheme for sustainable biomethane production
日本語参考訳:欧州委員会は、持続可能なバイオメタン生産のためのチェコ共和国の37億ユーロの国家補助計画を承認した。
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