サステナブル投資は踊り場か、次段階か? 資産オーナー調査が示す現実路線

12月、FTSEラッセルは世界24カ国・415の年金基金など資産オーナーを対象とした年次調査結果を公表した。調査によれば、サステナブル投資は後退しておらず、2023年以降、導入率は安定的に推移している。2025年時点で回答者の73%が投資戦略に何らかのサステナビリティ要素を組み込んでいる。

一方で投資家の意識は変化している。気候変動リスクへの懸念は大幅に高まり、投資影響への関心が「最も高い」とする回答は85%に達した。多様性・包摂性を重点課題とする回答は28%、生物多様性・自然資本は20%となった。

運用面では、サステナビリティや気候要因を戦略的資産配分に反映させる動きが進み、導入率は2021年の28%から8割へ上昇した。従来のESG統合やテーマ型投資に加え、企業とのエンゲージメントを通じた脱炭素化を重視する姿勢も強まっている。

動機面では理念より実利が前面に出ており、リスク調整後リターンの向上や長期リスク管理、投資機会の獲得を重視する回答が過半を占めた。調査は、今後の成長には金融的な厳密性と実務的なサステナビリティ戦略が不可欠であることを示している。

(原文)Ascending from the plateau? What our global asset owner survey says about sustainable investment
(日本語参考訳)停滞から脱却?持続可能な投資に関するグローバル資産保有者調査結果

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