
10月27日、英国金融行為監督機構(FCA)は、政府が環境・社会・ガバナンス評価機関をFCAの監督対象に組み込む新たな法案を議会に提出したことを正式に歓迎した。ESG評価が投資判断や資本配分において重要な役割を果たす中、その透明性および信頼性を確保することが目的とされる。
新法案は業界からも幅広く支持を受けており、FCAに対し、評価プロセスの妥当性・説明責任・比較可能性を担保するための規制権限を付与する。これにより、評価基準が不透明なまま市場に影響を及ぼすことを防ぎ、投資家保護の観点からも大きな前進となる。
FCAは政府による立法作業と並行して、ESG評価に関する監督枠組みの準備を進めてきた。法案が議会に上程されたことを受け、FCAは年内にも規制案に関する広範なパブリックコンサルテーションを開始する予定だ。FCAは、規制の実効性と市場競争力の両立を掲げ、実務負担に配慮しながら企業・投資家双方が活用しやすい制度構築を目指す方針を示した。
提案されている規制枠組みは、国際証券監督者機構(IOSCO)が提示した国際的な指針を反映しており、以下の4分野を重点領域として設定している。
- 透明性:評価手法、データの出所、指標設定過程の明確化
- ガバナンス:内部統制と責任体系の整備
- システム・管理体制:信頼性ある業務遂行の要件整備
- 利益相反管理:評価機関と利害関係者との関係性を適切に制御
加えて、企業が自らの業務内容が規制対象となるか判断できるよう、FCAはガイダンス文書の提供も予定している。これにより、評価機関は事前に認可の必要性を把握し、スムーズな制度定着を図ることができる。
ESG評価市場は急拡大が続き、情報の質や評価の一貫性が課題として浮上していた。FCAは今回の規制導入を契機に、市場参加者の信頼向上を実現し、英国をサステナブルファイナンスの国際的ハブとして一層強化する姿勢を示す。成長と革新を支えながら、健全な競争環境の下で投資を呼び込み、英国経済の発展にも寄与することが期待される。
(原文)FCA welcomes legislation to bring ESG ratings providers into regulation
(日本語参考訳)FCAはESG格付けプロバイダーを規制対象とする法案を歓迎
















