
8月14日、英国金融当局はサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)市場に関するフォローアップ書簡を公表した。2023年の前回書簡以来、市場は成熟を進め、より健全な商品構造と実務改善が見られると評価している。SLLは、借り手が全体的なサステナビリティ性能を高めるための移行金融ツールとして有用である。
当局は、依然として市場拡大の障害やインセンティブ面での課題が残るとしながらも、進展は信頼性ある移行金融エコシステム構築に向けた重要な一歩だと強調した。今回の知見は、SLL市場に関わる幅広い企業が他者の経験や当局の観察から学ぶことを目的としている。
次のステップとして、当局は2025年から2030年の戦略に基づき、英国金融サービス業界の成長と経済発展を支える方針を示した。その中核には、ネット・ゼロ移行に伴うリスクと機会に資本を振り向ける役割が含まれる。当局は今後もSLL市場を監視し、移行金融に関する取り組みを強化する考えだ。
さらに、移行金融評議会(TFC)と緊密に連携し、英国を移行金融の国際的拠点とする競争力強化を目指すとしている。銀行にはTFCの活動に積極的に関与し、移行金融のアプローチを整合させるよう呼びかけている。
(原文)Sustainability-linked loans market: 2 years on
(日本語参考訳)サステナビリティ関連ローン市場:2年後