Moody’sとMSCIが戦略的提携を発表し、ESG市場の透明性向上へ

7月1日、Moody’s CorporationとMSCI Inc.は戦略的提携を発表し、ESGとサステナビリティに関する市場の透明性を高め、データ駆動型のリスク解決策を提供する計画を明らかにした。Moody’sは、MSCIのサステナビリティデータとモデルを活用し、銀行、保険、企業セクターの顧客に向けたESG評価とコンテンツを提供する予定だ。MSCIのデータは世界最大の資産運用会社や資産所有者によって使用されている。

一方、MSCIはMoody’sのOrbisデータベースにアクセスし、約5億のエンティティに関する情報を取得することで、非公開企業のESGカバレッジを拡大する。また、Moody’sの非公開企業データと信用スコアリングモデルを活用したソリューションも検討されている。これにより、MSCIは非公開企業のESGカバレッジを強化し、顧客により広範な情報を提供できるようになる。

Moody’sのCEOであるロブ・フォーバー氏は、「本提携はMoody’sとMSCIの両社にとって大きな利益をもたらすものであり、双方の顧客により価値のある情報を提供できる」と述べた。また、MSCIのCEOであるヘンリー・A・フェルナンデス氏も、「この合意により、MSCIの非公開企業ESGカバレッジが拡大し、顧客セグメントと資産クラス全体に強化されたソリューションを提供できる」とコメントした。なお、本提携はMoody’sの格付け業務には影響を与えず、ESG要因が信用格付けに及ぼす影響についての透明性を引き続き提供する。

【参照ページ】
(原文)Moody’s and MSCI Announce a Strategic Partnership to Enhance Transparency and Deliver Data-Driven Risk Solutions

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-9-5

    パナソニック、EV普及時代に向けたエネルギーマネジメント実証実験を開始

    8月22日、パナソニック株式会社エレクトリックワークス社(以下「パナソニック」)は、大阪ガスマーケ…
  2. 2024-9-5

    SBTi、建築セクター向けに1.5℃シナリオに整合する脱炭素化フレームワークを発表

    8月28日、SBTi(Science Based Targets initiative)は、建築セ…
  3. 2024-9-2

    企業が持続可能性を推進するためのデータとAIの役割が浮き彫りに

    8月28日、キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートが発表した最新レポート「Data-Pow…
ページ上部へ戻る