マイクロソフト、The Next 150と炭素除去契約を締結

マイクロソフト、気候ソリューションの新興企業The Next 150と95,000トンのバイオ炭による炭素除去契約を締結

3月21日、マイクロソフトと気候ソリューション・プロバイダーのThe Next 150は、6年間のオフテイク契約を締結し、マイクロソフトがメキシコに新設されるバイオ炭生産施設から発生する9万5000トンの炭素除去クレジットを購入すると発表した。

バイオ炭(生物学的木炭)は、森林残渣、木材、農作物廃棄物などのバイオマスを酸素のない状態で加熱することで生成され、安定した形態の炭素を生成し、土壌に埋めると、土壌肥沃度の向上につながるだけでなく、数世紀にわたる炭素隔離を可能にする。

スイスを拠点とするThe Next 150は、2022年に設立された炭素除去ベンチャーの開発・運営会社で、新興市場における気候ソリューション・プロジェクトに投資し、規模を拡大することを目的としている。

この新しい契約に基づきマイクロソフトに供給されるクレジットは、メキシコのグアナファトにあるネクスト150のジェネラル・バイオチャール・システムズ(GBS)事業部初のバイオ炭工場で生産される。2023年5月に稼働を開始するこのプロジェクトは、トウモロコシ、小麦、ソルガムなどの作物から排出されるアグリ廃棄物を精製するために設計されており、持続可能で再生可能な土壌改良材として、最大23,000人の地元農家にバイオ炭を供給することを目指している。ネクスト150は、2025年までにラテンアメリカでさらに2つのプラントを稼動させることを目指している。

マイクロソフトは、2030年までにカーボン・マイナスを達成し、2050年までに過去の全排出量を削減するというイニシアティブの一環として、ボリビアを拠点とするエクソマッド・グリーン・コンセプシオン・プロジェクトとの中南米をベースとしたバイオ炭プロジェクトにも取り組んでいる。マイクロソフトの炭素除去契約ポートフォリオは、自然をベースとした森林再生やアグロフォレストリー・プロジェクト、直接空気回収(DAC)ソリューション、海洋ベースの炭素除去など、さまざまな技術やソリューションに及んでいる。

【参照ページ】
(原文)The Next 150 inks 6-year agreement with Microsoft for 95,000 high-quality biochar carbon removal credits
(日本語参考訳)The Next 150、マイクロソフトと9万5,000の高品質バイオ炭の炭素除去クレジットについて6年間の契約を締結

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