Ceres、米電力大手12社の気候変動ロビー活動を分析

1月17日、米国のESG(環境、社会、ガバナンス)投資を推進する非営利組織であるCeresは、米国の電力大手12社を対象に行った気候変動に関するロビー活動の分析結果を公表した。調査対象となった企業は、アメリカン・エレクトリック・パワー、ドミニオン・エナジー、デューク・エナジー、エクセロン、ファースト・エナジー、ナショナル・グリッド、ネクストエラ・エナジー、PG&E(パシフィック・ガス&エレクトリック)、センプラ・エナジー、サザン・カンパニー、WECエナジー、Xcelエナジーの12社である。

調査の結果、これらの企業は全てパリ協定に準拠した気候変動対策へのコミットメントを表明していた。しかし、気候変動ロビー活動において、パリ協定と整合性のない活動を慎むよう求めるアプローチを採った企業は一つもなかったとの結論が出た。

また、ファースト・エナジーとXcelエナジーを除く10社は、企業連合に加盟し、過去3年以内にパリ協定に準拠した気候変動ロビー活動に参加していた。Ceresは、これらの企業に対して肯定的な評価を与えた一方で、活動の一貫性には課題が残ると指摘している。

Ceresは電力大手について、パリ協定に準拠した気候変動ロビー活動に積極的な取り組みを評価した。また、業界団体への参加企業の中には、パリ協定の達成を妨害しようとするものもあるため、業界全体の動向を注意深く見る必要があると強調した。過去には、Ceresは銀行大手に関する気候変動ロビー活動の調査結果も公表しており、ESG関連の取り組みを推進している。

【参照ページ】
(原文)New Benchmark Analysis of U.S. Utilities Sector Reveals Inconsistent Climate Policy Advocacy
(日本語参考訳)Ceres、米電力大手12社の気候変動ロビー活動を分析

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-8

    IBM、ESGデータプラットフォームにCSRD対応機能を追加

    4月30日、IBMは、ESGデータの収集、分析、報告プ​​ラットフォーム「IBM Envizi」の…
  2. 2024-5-8

    IFRS、EFRAG、ISSB/CSRD報告基準に双方に対応する企業向けガイダンスを発行

    5月2日、IFRS財団と欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ESRS-ISSB基準の相互に共…
  3. 2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
ページ上部へ戻る