自然ベースのソリューション・プラットフォームCultivo、約20億円を調達

自然ベースのソリューション・プラットフォーム「Cultivo」が約20億円を調達

1月30日、自然ベースのプロジェクト投資家であるCultivoは、シリーズAで1400万ドル(約20億円)の資金を調達したと発表した。本資金は、質の高いプロジェクトを通じて自然再生に大規模に投資するAI主導のプラットフォームを加速させることを目的としている。

ジェームズ・クリフトン(James Clifton)、マヌエル・ピヌエラ(Manuel Pinuela)、パブロ・カステリャノス(Pablo Castellanos)により2019年に設立されたカリフォルニアを拠点とするCultivoは、テクノロジーとアルゴリズムを用いて、森林再生プロジェクトや土壌保護プロジェクトなど、世界中の質の高い自然ベースのソリューション・プロジェクトを特定している。同社は、財務的、社会的、自然資本的リターンを予測し、現場の専門家を使って選択したプロジェクトを検証する。そして、プロジェクトを投資案件としてパッケージ化し、共同設計・モニタリングすることで、炭素吸収量、生物多様性、貯水量の増加、地域社会や土地管理者への社会的影響を測定する。

過去1年間で、Cultivoの自然資本プロジェクトのパイプラインは1億ヘクタールを超え、これはカリフォルニア州の土地の2倍以上に相当する。同社によると、このパイプラインは、EUの年間二酸化炭素排出量にほぼ匹敵する3ギガトン以上の二酸化炭素を除去する可能性があるという。同社はまた、ブルックフィールド・アセット・マネジメントの会長でトランジション投資の責任者であるマーク・カーニー氏を取締役に加えた。

マスミューチュアル・ベンチャーズとオクトパス・エナジー・ジェネレーションが共同主導し、サルカンタイ・ベンチャーズとペニャ・ベルデが参加した今回の資金調達ラウンドは、事業の成長を加速させ、カルティボの資金調達総額は2000万ドル(約29億円)を超えることになる。

資金調達の発表と同時に、カルティボはオクトパス・エナジー・ジェネレーションと、北米、ヨーロッパ、オーストラレーシアの自然資本プロジェクトに最大4000万ドル(約58億円)を投入する契約を結んだことも発表した。

【参考ページ】
(原文)Nature Investment Startup Cultivo Completes $14M Series A Funding Round
(日本語参考訳)自然ベースのソリューション・プラットフォーム「Cultivo」が約20億円を調達

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-2

    環境NGO、MUFG、SMFG、みずほFG、中部電力に気候変動株主提案を再提出

    4月15日、環境NGOの3団体は、MUFG、SMFG、みずほFG、中部電力の4社に対し、気候変動株…
  2. MUFG

    2024-4-30

    MUFG、サステナブルファイナンス目標を100兆円に引き上げ

    4月1日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、サステナブルファイナンスの実行額目標を…
  3. 2024-4-30

    経産省とJPX、SX銘柄2024として15社を選定

    4月23日、経済産業省と東京証券取引所(JPX)はサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX…

ページ上部へ戻る