企業140社、日本政府に対し国際水準のカーボンプライシング制度導入を要求

12月5日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「気候変動イニシアティブ(JCI)メンバーによるカーボンプライシング提言:2030年GHG排出削減目標と国際競争力強化の同時達成に向けて」を公表した。本提言には、企業140社を含む186団体が賛同し、名を連ねる。

2023年5月に成立したGX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)でのカーボンプライシングの導入に対し、世界で普及が進む炭素税・排出量取引制度と比較すると、同じ水準で排出削減を実現するには依然として不十分な点が多く残ると指摘。本提言で、2030年までに日本のGHG排出量半減を可能にするカーボンプライシングを日本で実現させるよう求めた。

現在の政府案の改善点として、以下を含む6つの原則を提示している。

・導入時期を2025年を目処に前倒しすること
・IEAの示す130ドル/t-CO2など2030年における十分な炭素価格を目指すこと
・企業の自主性任せでなく、対象部門の総排出量上限(キャップ)の設定と制度参加・排出削減の義務づけで世界と同等のキャップ&トレード型排出量取引制度に作り替えること

企業、自治体、各団体など日本のマルチセクターが個別の団体名を明らかにしてカーボンプライシングの具体的なあり方を提言したのは日本で初となる。賛同企業には、IT、素材、機械、電子・電気機器、製薬、通信、食品、小売、建築、金融・保険など様々な分野をリードする、東証プライム上場企業61社を含む多くの大企業が含まれている。積極的に気候変動対策を進める企業グループである日本気候リーダーズ・パートナーシップも名を連ねた。

【参照ページ】
186団体が賛同|JCIカーボンプライシング提言:2030年GHG排出削減目標と国際競争力強化の同時達成に向けて

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