KKR、2024年の見通しで「メガテーマ」として「ブラウンからグリーンへの移行」を強調

KKR、2024年の見通しで「メガテーマ」として「ブラウンからグリーンへの移行」を強調

12月、世界的なオルタナティブ資産およびプライベート・エクイティ投資家であるKKRは、2024年グローバル・マクロ展望を発表した。同社は脱炭素化、特に資産の多いセクターの大規模な「ブラウンからグリーン」への移行を、投資機会を促進する重要な「メガ・テーマ」と位置づけた。

KKRのバランスシートのCIOであり、グローバル・マクロおよびアセット・アロケーションの責任者であるHenry McVeyによる報告書の中で、KKRは、これまでの脱炭素化の取り組みが主に「資産の軽い」技術主導の進歩に焦点を当ててきた一方で、今後、大規模な気候変動への影響を可能にすることを目的とした投資は、おそらく「より資産の重い性質」となり、世界経済のより大規模で排出集約的なセクターをターゲットとした大規模な機会を生み出すだろうと指摘している。

具体的には、グローバル・サプライチェーン、ビル、データセンターのアップグレードの必要性に加え、「伝統的な発電、不動産、運輸、産業セクターの脱炭素化の必要性」によってもたらされる機会について、本報告書では言及している。

KKRは、8月にグローバル気候戦略チームを発足させ、気候変動投資への注力を拡大したと発表している。また、輸送・グリッド脱炭素ソリューション企業Zenobēへの7億5,000万ドル(約1,075億円)の投資や、エネルギー・電化ソリューション企業Smart Metering Systems (SMS)の17億ドル(約2,437億円)での買収など、最近の投資も含め、KKRは気候変動に焦点を当てた、脱炭素セクターへの一連の動きを受けている。

本報告書はまた、AI技術の出現による気候変動関連の機会や、「エネルギー配給のフットプリントを再構築する必要がある」新しい形態のエネルギーにも注目している。

展望レポートが取り上げたその他のメガテーマには、「産業オートメーション」、「万物の安全保障」、「アジア域内接続」、「労働生産性/労働力開発」、「人工知能 」が含まれる。

【参照ページ】
Glass Half Full – Outlook for 2024

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-2

    環境NGO、MUFG、SMFG、みずほFG、中部電力に気候変動株主提案を再提出

    4月15日、環境NGOの3団体は、MUFG、SMFG、みずほFG、中部電力の4社に対し、気候変動株…
  2. MUFG

    2024-4-30

    MUFG、サステナブルファイナンス目標を100兆円に引き上げ

    4月1日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、サステナブルファイナンスの実行額目標を…
  3. 2024-4-30

    経産省とJPX、SX銘柄2024として15社を選定

    4月23日、経済産業省と東京証券取引所(JPX)はサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX…
ページ上部へ戻る