11月22日、プロフェッショナル・サービス会社のデロイト・カナダは、コンクリート中の二酸化炭素を回収するカーボンキュア・テクノロジーズの技術の普及を支援することで、高品質の炭素クレジットを購入する複数年契約を、炭素除去技術企業のカーボンキュア・テクノロジーズと締結したことを発表した。
ノバスコシア州ハリファックスを拠点とするカーボンキュアは2012年に設立され、コンクリート製造業者が回収した二酸化炭素を利用して低炭素コンクリートミックスを製造するためのソリューションを提供している。 カーボンキュアの技術は、産業界から回収され液化した二酸化炭素と、直接空気回収(DAC)をコンクリート原料に注入する。これにより、コンクリートの強度を高めると同時に、炭素を大量に消費する主成分であるセメントへの依存度を下げることができる。コンクリートの主成分であるセメント生産は、世界の二酸化炭素排出量の約8%を占めており、1000kgの材料を生産するごとに900kg以上の二酸化炭素が排出される。
建築物は、環境と気候に影響を与える主要な原因であり、世界の年間温室効果ガス(GHG)排出量の40%近くを生み出し、また具現化炭素(建築材料の製造と建設から排出される炭素)は、新築から排出される炭素の約半分を占めている。
コンクリートは世界で最も利用されている建設資材で、毎年約300億トンが打設されている。カーボンキュアの生コンクリート製造技術は、この環境負荷をトラック1台あたり約5%削減するという。
デロイトによると、この新しい契約はカーボンキュアの炭素除去技術の世界展開を直接支援するもので、有意義な市場ソリューションの開発と規模拡大を支援するデロイトの炭素管理戦略に沿ったものだという。
【参照ページ】
(原文)A concrete way to permanently store CO2
(日本語参考訳)デロイト・カナダ、コンクリートで炭素を回収・貯蔵する契約を締結