10月16日、欧州理事会は、トラック、バス、トレーラーなどの新型大型車の排出ガス基準に関する規制を強化し、2040年までに90%の排出ガス削減を義務付けるとともに、大型車におけるゼロ・エミッション車の割合増加を促すことを目的とした新規則について合意に達したと発表した。
この合意は、欧州委員会が今年初めに提案した大型車のCO2排出量削減に関するEU議会との交渉において、理事会の交渉姿勢の基礎となる。トラックとバスは、EUにおける温室効果ガス(GHG)排出量全体の6%以上を占め、道路輸送によるGHG排出量の25%以上を占めている。
本規則を提案した当初、欧州委員会は、2030年までに45%、2035年までに65%の新型大型車の排出ガス削減を義務付けることも盛り込んだ。新目標は、2050年までに気候変動に左右されない経済を実現するEU戦略である「欧州グリーン・ディール」や、ロシアの化石燃料への依存をなくすEUの計画である「REPowerEU」など、いくつかのEUの目標に合致するものである。欧州委員会は、新基準の導入により、2031年から2050年の間に輸入石油の需要が約20億バレル減少すると述べた。
理事会の合意見解は、欧州委員会の主要な排出削減目標を維持する一方、新規則にいくつかの変更を提案した。その中には、一部の加盟国が非現実的なスケジュールであると主張していた都市バスのゼロエミッション義務化の目標を2030年から2035年に延長する一方、2030年の暫定的な85%削減目標を導入することも含まれていた。
理事会はまた、欧州委員会に対し、2027年の調査において、再生可能燃料とカーボンニュートラルなe燃料を車両移行ミックスに含めることを可能にする炭素補正係数(CCF)の導入が果たす潜在的な役割について評価するよう求めることを盛り込んだ。
【参照ページ】
Council agrees on new rules to strengthen CO2 emission standards for heavy-duty vehicles