欧州議会と理事会、5億トンの温室効果ガス排出を削減する規則に合意

EU議員団、5億トンの温室効果ガス排出を削減する規則に合意

10月5日、欧州議会と欧州理事会の議員らは、フッ素系ガス(Fガス)とオゾン層破壊物質(ODS)による温室効果ガス(GHG)の排出を大幅に削減する新法について暫定合意に達したと発表した。

この合意を歓迎する欧州委員会の声明によると、提案されている法律は、2050年までに約5億トンの温室効果ガス排出を防止し、2030年までに排出量を55%削減し、2050年までに気候中立を達成するという欧州の気候目標に貢献する。

フッ素系ガスとODSは、さまざまな産業用途で使用されており、冷凍、空調、ヒートポンプ機器などの家電製品にも含まれている。これらの物質は非常に強力な温室効果ガスであり、地球温暖化係数はCO2の数千倍から数万倍にもなる。

EU委員会によると、気温の上昇と生活水準の向上により、これらのガスを使用する機器の需要が急速に高まっていることから、新たな規則が提案された。

新しい規則では、Fガス排出量の約90%を占めるハイドロフルオロカーボン(HFC)の消費量を2050年までに全廃し、2015年基準で2030年までに95%削減する。この合意には、特定の家庭用冷蔵庫、冷凍機、発泡スチロール、エアゾールなど、HFCsを含むいくつかのカテゴリーの製品・機器の上市禁止も含まれており、適切な代替品がない場合、または最も気候変動に優しいFFCsを使用する場合に限り、新しい機器にFFCsを使用することを認める制限もある。また、同規則では、地球温暖化係数の高いガスを含む旧式の機器がEU域外の国々に輸出されないようにするための輸出禁止措置や、気候変動に配慮した代替ガスの使用に対する奨励措置も設けられている。

暫定合意後、新規則は理事会および国会の環境委員会に提出され、承認された後、各機関による正式な採択が行われる。

【参照ページ】
(原文)Deal reached on reducing fluorinated gas emissions in the EU
(日本語参考訳)EUにおけるフッ素系ガス排出削減で合意

関連記事

“ツールーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-10-7

    ESG Journal Cafe 第二回イベントレポート 『主要評価5機関の効果的な対応方法』

    【ESG Journal Cafe イベントレポート】第二回イベント『主要評価5機関の効果的な対応…
  2. お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    2024-10-3

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…
  3. 2024-9-30

    MSCI、新たなカーボンニュートラルランキングを発表

    アメリカの金融サービス企業であるMSCIは、新たに「カーボンニュートラルランキング」を導入し、企業…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る