英国政府、サステナビリティ開示基準を開始

8月2日、英ビジネス・通商省(DBT)は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)に基づく英国適用のサステナビリティ開示基準「UK SDS」を策定すると発表した。

英国のサステナビリティ開示基準(SDS)は、企業が直面するサステナビリティ関連のリスクと機会に関する企業開示を規定するものである。SDSは、気候変動に起因するリスクと機会も含め、サステナビリティに関連するリスクと機会について報告するよう企業に求める、英国の法律や規制における将来の要求事項の基礎となるものである。

DBTが発行するUK SDSは、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が発行するIFRSサステナビリティ開示基準に基づいている。事業貿易省長官は、2024年7月までにIFRSサステナビリティ開示基準を承認し、UK SDSを作成することを検討する。英国が承認した基準は、英国固有の事項のために絶対的に必要な場合にのみ、グローバル・ベースラインから逸脱する。

承認後、UK SDSは、英国企業に対するあらゆる法的・規制的要件において参照される可能性がある。開示を求める決定は、英国の登録企業や有限責任事業組合については英国政府が、英国の上場企業については金融行動監督機構(FCA)が、それぞれ独自に行う。

IFRSのサステナビリティ開示基準をベースラインとして使用することで、英国のSDSに基づいて企業が開示する情報が、世界的に比較可能で、投資家にとって意思決定に有用なものとなることを目指している。これらの基準で求められる開示は、投資家が企業間の情報を比較するのに役立ち、それによって意思決定を助け、資本の効率的配分と英国の資本市場の円滑な運営を支援する。

【参照ページ】
(原文)UK Sustainability Disclosure Standards

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