7月7日、中国海関総署(関税総署)輸出入食品安全局は、記者会見の中で、国際原子力機関(IAEA)による日本の福島第一原子力発電所ALPS処理水に関してまとめた包括評価報告書の発表を受け、日本の10都県からの食輸入の禁止措置を継続すると発表した。また、その他の道府県からの食品、特に水産品については、税関での監視を強化するとも述べた。
中国は、2011年3月の福島第一原子力発電所の事故以降、福島県、群馬県、栃木県、茨城県、宮城県、新潟県、長野県、埼玉県、東京都、千葉県の10都県からの食品・食用農産物・飼料の輸入を禁止している。
7月4日、IAEAによるALPS処理水の放出に関する包括的評価報告書が、日本政府に渡った。日本政府、東京電力、原子力規制委員会によるALPS処理水の海洋放出に関するアプローチは、国際的な安全基準に整合的と判断された。また、東京電力が現在計画しているALPS処理水の海洋放出に関して、ヒト及び環境に与える放射線の影響は無視できるものとも述べた。一方、中国海関総署は、同報告書について、「評価に参加した全ての専門家の意見を完全に反映したものではなく、結論も全ての専門家が一致して受け入れたものではない」と主張した。
中国生活環境部国家原子力安全局は、今後、海洋放射線環境のモニタリング体制を構築する。異常が発見された場合は、タイムリーに警告を発する。
【参照ページ】
中国の輸入規制の概要(平成30年11月29日~)