Goodyear、メタン熱分解で製造されたカーボンブラックを使用した業界初のタイヤを発表

Goodyear、メタン熱分解で製造されたカーボンブラックを使用した業界初のタイヤを発表

5月10日、Goodyearは、EV向けにチューニングされた超高性能オールシーズンタイヤElectricDrive™ GTの新しいトレッドフォーミュレーションを発表した。

オールシーズンのトラクションを強化する専用トレッドコンパウンドには、メタンの熱分解によって製造されるMonolith carbon blackが配合される。これにより、MonolithとGoodyearは、タイヤ製造におけるカーボンブラックのゼロエミッション化に向けた次のステップを踏み出すことになる。

本タイヤは、Monolithが製造するこのタイプのカーボンブラックを使用した業界初の販売用タイヤとなる。

カーボンブラックは、タイヤのコンパウンドに強度を与え、耐引裂性、耐摩耗性を向上させる、タイヤの重要な成分です。従来のカーボンブラックは、化石燃料の油の燃焼に由来するものが一般的であったが、Monolithのプラズマベースのプロセスは、再生可能な電力を利用してメタンの熱分解を完了し、燃焼を必要とせず、炭素と水素のみを出力することができる。メタンの熱分解は、メタン分子を炭素と水素の構成要素に分解することができる。

Goodyear ElectricDrive GTは、EVドライバーと同乗者に長持ちするトレッド摩耗と静かな乗り心地を提供する。ElectricDrive GTは、GoodyearのSoundComfort Technologyを搭載しており、ロードノイズを低減する内蔵のサウンドバリアとして機能する。ElectricDrive GT 235/40R19はGoodyear.comで購入でき、Tesla Model 3などの車両に理想的に適合する。

Goodyearは今後数年間、メタン熱分解で製造されたMonolith carbon blackの使用を、他の製品ラインでも拡大することを検討する予定である。また、Goodyearは、廃棄物由来のメタンから生産されるカーボンブラックの使用など、新技術の可能性についてMonolithと調査を続ける予定である。

Goodyearは2021年12月、クリーン水素と材料製造の世界的リーダーであるMonolithと、メタンおよび/またはバイオメタンから製造されるカーボンブラックの開発およびタイヤへの使用の可能性に関する共同研究契約を締結した。

Goodyearは、持続可能な材料を、バイオベース/再生可能な材料、リサイクル材料、またはマスバランス材料を含む資源保護や排出削減のための他の持続可能な慣行を使用して生産される可能性のあるもの、またはそれに寄与するものと定義している。

【参照ページ】
(原文)GOODYEAR ANNOUNCES INDUSTRY’S FIRST TIRE TO USE CARBON BLACK PRODUCED VIA METHANE PYROLYSIS
(日本語訳)Goodyear、メタン熱分解で製造されたカーボンブラックを使用した業界初のタイヤを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る